• 配信日:2023.06.02
  • 更新日:2024.04.19

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イノベーション人材を育てる組織のあり方/人材育成の考え方

イノベーションのアイデアの出し方

さて、さまざまな本でイノベーションについて語られていますが、「イノベーションは難しい」と感じる方が多いのではないでしょうか。

アイディアの生み出し方は様々ありますが、今回は一例をご紹介します。

イノベーション人材を育てる組織のあり方/人材育成の考え方

例えば様々な気になるキーワードを抽出し、画像のように並べてみましょう。
次に、実際に難しいものなのか、画像にある 16 のテーマを組み合わせて、新結合をやってみましょう。この中から3つのキーワードをランダムに組み合わせて、新しいビジネスアイデアを考えてみます。

例えば「 AI 」「時短」「家事」を組み合わせるとどんなアイデアが浮かぶでしょうか。「食器洗いを自動化する技術」や、「洗濯物を洗うだけでなく畳むところまで自動化する技術」などのことが思い浮かびます。ここからさらに「自動化したい手間のかかる家事は何か」と考えていくと、ビジネスアイデアにつながってきます。すでに開発に着手している企業があるのですが、「散らかった部屋を元通りに片付けてくれるロボット」などは斬新なアイデアといえるでしょう。

既存のテーマやビジネスを組み合わせることで、意外と新しいアイデアの発見につながるものです。

イノベーションを起こす組織の特徴と学習し続ける組織とは〜人的資本経営〜

イノベーションを起こす組織には、以下のような特徴が見られます。

  • 1. 主体的である
  • 2. 多様性(知の多様性、人脈の多様性、実践の多様性)とオープンマインドがある
  • 3. 心理的安全性がある
  • 4. ペイフォワード(周囲への貢献)によるコミュニケーションを実践している
  • 5. 変化と新陳代謝が行われている

イノベーションを起こす組織の特徴を満たすには、人的資本経営の実現が必要不可欠です。
人的資本経営の詳細は省いていきますが、以下のような項目がポイントとなると考えています。

  • 1. 動的な人材ポートフォリオ
  • 2. 知・経験のダイバーシティ & インクルージョン
  • 3. リスキル・学び直し・生き方
  • 4. 社員エンゲージメント
  • 5. 時間や場所にとらわれない働き方

今後は上記に対応した人事施策が求められるでしょう。

世界と比較した日本の社会人の自己研鑽状況

イノベーション人材を育てる組織のあり方/人材育成の考え方

人的資本経営、人的資本開示が進んでいきますが、実はその一方で、日本では海外と比べて OJT* 以外での社内研修の投資が非常に少なく、社員個人に自己研鑽(じこけんさん)・自己啓発を任せている企業が多い状況です。しかし日本人は自発的にスキルアップをしない人の割合が、海外と比べて非常に多いというデータもあり、日本では社員個人にスキルアップを任せる企業が多いにも関わらず、実践しない人が多いということがわかります。

イノベーションを起こす組織を目指すためには自己研鑽を個人のやる気に任せている状態にテコ入れをすることがとても大切です。

*OJT=職場での実務体験を通じて業務知識・技術を身に着けさせる教育手法のこと

経営/イノベーション人材を育成するためにやるべきこと


ある大手転職エージェントが、年齢別に転職時の年収増減傾向を調査しました。結果、全年代で転職すると転職前より 10 % ほど年収が下がる傾向があるというデータが出たそうです。

その一方で、転職に向けて何らかの努力をしている人の傾向はどうなっているか気になり「読書量」と「転職時の年収の増減」を調べ比較してみました。 20 代では読書量と転職時の年収増減に相関は見られませんでした。理由はおそらく、入社直後は上司などから指示されたことを全うするだけでも評価やスキルが上がっていくためだと思われます。

しかし管理職になると、これまでの経験だけでは越えられないスキルの壁に直面しがちです。そのため 30 代以降だと読書量が多い人は転職時の年収が増える傾向が見られました。一定の年齢になると、スキル・キャリアアップのために努力を積み重ねてきたことが影響してくるといえます。

学習のために使用するメディアは多種多様です。例えば新聞や Web メディアの記事を読むことも学習において有用ですが、掲載されている情報は1日サイクルのものが多く、数日後はあまり意味のない情報になっていることがあります。情報のサイクルが1週間単位になったものが雑誌、数カ月〜1年になったものが本です。

本の情報は数日〜数週間で意味のない情報にはなりにくく、長い期間にわたって価値を維持し続けます。すなわち本は、読み続けることで生涯使える情報・知識を得やすいメディアといえます。

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現在のソニーの礎を築いたキーパーソンの一人である、元・ソニー株式会社 執行役副社長の鈴木 智行 氏に、同氏がソニーにおいて変革を成し遂げるベースとなった、リーダーシップ、組織、マネジメントに焦点をあてて、弊社セミナーでお話しいただきました。
イノベーションを起こす組織の作り方について、実践者としての立場・ご経験から事例を交えてご紹介しています。

講演者紹介

イノベーション人材を育てる組織のあり方/人材育成の考え方

大賀 康史 氏
株式会社フライヤー CEO

【略歴】
早稲田大学大学院理工学研究科機械工学専攻修了。
2003 年にアクセンチュア(株)製造流通業本部に入社。
同戦略グループに転属後、フロンティア・マネジメント(株)を経て、2013 年6月に株式会社フライヤーを設立。
著書に『ビジネスエリート必読の名著15 』(自由国民社)、『最高の組織』(自由国民社)、共著に『7人のトップ起業家と 28 冊のビジネス名著に学ぶ起業の教科書』(ソシム)、『ターンアラウンド・マネージャーの実務』(商事法務)がある。

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