• 配信日:2024.04.26
  • 更新日:2024.04.26

オープンイノベーション Open with Linkers

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

この記事は、リンカーズ株式会社が主催した Web セミナー『【短期間で成果を出す】事業開発の実践』のお話を編集したものです。

株式会社スペックホルダーの大野 泰敬(おおの やすのり)様に、ご自身の経験を基にした、新規事業をスピーディに立ち上げるためのポイントを解説していただきました。

現在新規事業の立案に携わっている方や、今後新規事業を担当する方の参考になること間違いなしの内容です。ぜひお読みください。

新規事業は3〜4か月で立ち上げることが可能


私(大野氏)は、3〜4か月で事業モデルを作って事業承認をもらったり、企業と新しくアライアンス(提携)を組んで会社に予算を申請し新規事業を作ったりということを長年やってきました。振り返ると、私が会社員だった頃に新規事業を作ったとき、自分が考えた企画を8割くらいの確率で通せていました。独立してからも企業をサポートさせていただき、担当した新規事業のうち大体 89 % が4か月ほどで事業化までこぎつけています。

新規事業を短期間で立ち上げるための4つのポイント


私が実践しているポイントを4つ紹介します。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

1つ目は、徹底した市場調査をすること。国内だけでなく海外含めて、参入を考えている業界のことを聞かれたら完璧に答えられる状況まで自分を持っていくことが大切です。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

2つ目は、自社のアセットをきちんと分析し、自分たちの強みはどこにあるかを調査すること。他社とアライアンスを組む場合、大手企業ほど「アライアンスを組んで、どこで自社の強みを出すのか」というグループシナジーの話になる傾向があります。そのため、自社の強みや「なぜ私たちがこの事業をやらなければならないのか」を含めた分析をすることが重要です。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

3つ目は、オープンイノベーションを実施すること。昨今、1社だけで新規事業を進めて成功することは難しい状況です。仮に自社単独で事業化できるだけの技術があったとしても、他社と組むことで開発・展開するスピードを高められる場合もあるので、連携しながら取り組んだほうがメリットは多いでしょう。

それから、悲しいことに役員や上司と呼ばれる人たちは、部下が作った資料の内容や提案をあまり信用していない傾向があります。その反面、例えば「自社より規模の大きい上場企業と一緒にこのプロジェクトを進めます」と説明すると、今まで通らなかった提案が通りやすくなります。権威のある第三者が関わることでプロジェクトの信頼性が上がるのです。上層部を納得させるという観点でも、オープンイノベーションを推進し、大きな会社と組むことが重要になるでしょう。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

4つ目は、意外と漏れている方が多いのですが、メディア戦略です。社内外の味方を増やしていく意味で重要になります。

この4つのポイントについて、1つずつ詳しく解説していきます。

新規事業の立ち上げ方のポイント1:市場調査


新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

良いビジネスのネタを作るには、情報が必要不可欠です。情報は新規事業における羅針盤となります。あわせて、どうやったら効率的に、質の高い情報を収集できるのかも考えなければなりません。私の場合、かつて勤めていたソフトバンクでは数多くの企画を出せていたほうでした。なぜかというと、さまざまなツールを活用して情報収集をしていたからです。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

(画像引用元:「Google アラート」)

例えば、まず Google アラート。キーワードを登録しておくと、そのワードに関連する情報が Web 上にアップロードされたり、他社がプレスリリースを出したりなどという動きをキャッチアップした瞬間に自動でメールを配信してくれるツールです。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

(画像引用元:「ラッコキーワード」)

ユーザーが何を考えているのか。ユーザーが検索エンジンで何を検索しているのか、どんなことに興味を持っているのかを分析するツールとして、ラッコキーワードも使っていました。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

(画像引用元:「キーワードプランナー」)

ラッコキーワードとあわせて、キーワードプランナーというツールを使うのもおすすめです。ラッコキーワードで割り出したキーワードが、どれくらいの人たちによって、どのタイミングで検索されているのかが分かります。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

(画像引用元:「Facebook」)

FacebookInstagram なら、リーチ数まで細かく把握することが可能です。リーチ数が把握できると、例えばイベントをするというときに、自社のイベントに興味がある人たちはどのエリアに住んでいる人たちなのか、性別や年齢などまで分析できます。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

(画像引用元:「Google トレンド」)

さらに Google トレンドというツールを使えば、指定した期間で特定のキーワードがどのエリアで、どんなキーワードで、どれくらい調べられたのか、時期ごとのトレンド状況や検索の傾向を知ることが可能です。

一つのメディアだけでなく、このようなツールを複数組み合わせて活用することで業界への興味、知識が深まっていき、効率良く情報収集ができるでしょう。また各ツールで具体的な数値まで出すことで、役員などを説得することにも寄与します。

次のページ:引き続き、新規事業の立ち上げ方のポイントを解説します。