• 配信日:2024.04.26
  • 更新日:2024.06.03

オープンイノベーション Open with Linkers

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

新規事業の立ち上げ方のポイント2:アセット分析


新しいビジネスを展開する場合、アセット分析をしないと前には進めません。まず自分が何をしたいのか、自社は何をするべきなのか、どのような事業が自社に適しているのかなどを整理する必要があるのです。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

最初にやるべきなのは、自社についてよく知ること。自社のことが分からないと新規事業の軸がぶれてきてしまいます。

また、新規事業を社内で提案するとき「なぜうちの会社でこの事業をやるのか」という疑問をぶつけられることがよくあります。その疑問を突破するためにも、自社がどのような企業なのか把握することが大切です。

次に他社情報を把握すること。ライバルとなる他社はなぜその事業をスタートしたのか、やっていない企業はなぜ手を付けないのか。これらを調べます。

そして業界について知ること。業界ごとに業界全体の課題というものがあります。その課題に対して自社はどう向き合うのか。例えば業界自体が衰退している場合、その根本にある課題を解決しなければ新規参入するメリットは少ないでしょう。業界の現状を知り、そして未来を予測することが欠かせません。

あわせて海外の企業の動きも把握しておくべきでしょう。

自社、他社、業界、海外、この4つをアセット分析としてしっかり抑えることが新規事業において重要です。それぞれについて具体的に解説します。

自社について知るには

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

自社のことを知るために、改めて経営理念・ビジョン・考え方・創業の背景などを把握しましょう。特に創業メンバーが現在の経営層にいる場合、これらをやるのとやらないのとでは結果が大きく変わります。経営理念やビジョンのなかで使われているキーワードを新規事業の提案のなかに入れ込むことが大切です。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

そして自社の持っている強みや弱みを把握していく。やはり事業戦略の際に強みを活かすことが大切なポイントになりますし、後述しますが、他社と連携して取り組むことがこれから非常に重要になります。「うちはこんなに価値のある技術を持っているので、貴社の技術と掛け合わせれば業界 No.1 になれます」と説明するとアライアンスが組みやすくなります。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

強みがある一方で、自社の悩みになっている部分もあるはず。その課題がどのようなもので、課題を解決するために自分たちは何をしようとしているのか、こういったことを把握しながら情報を整理していくことが必要です。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

強み、弱み、強みを活かせる機会、回避するべき脅威。これらを改めて整理していくと、自分が企画している新規事業に何が欠けているのかが見えてきます。

他社について知るには

続いて、他社について知るためにやることを解説します。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

新規事業を提案したとき、上司からよく言われることに「他の会社がもうやっている」「その事業は他の会社がやってすでに失敗している」などがあります。このような意見を言われないためには、ライバルとなる他社がどんなことをしているのか、なぜその事業に参入したのかを細かく見ていくことが必要です。すると自分たちの事業にも使えそうな戦略が見えますし、経営層はライバル企業の動きを気にします。「ライバル企業はこんなことをしているのに、うちはやらないのですか。このままでは No.1 を奪われてしまいます」という切り口で説得すると「うちもやってみよう」という流れに持っていきやすいです。

業界について知るには

そして、参入を考えている業界の情報を知るにはどうすればいいか説明します。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

どの業界も、業界全体の課題というものを抱えており、自社だけが頑張っても解決できない場合もあります。そのため業界全体がどのような課題を抱えていて、その課題を解決するために国や業界に属する企業たちがどのような取り組みをしているか見ていくことも大切です。

海外企業について知るには

アセット分析の最後のポイントとして、同業種の海外企業は何をしているのかを調べていきます。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

例えば、海外の冷凍食品企業 50 社を分析すると、新規事業には4つのパターンがあることが見えてきます。「自社ブランド専門小売店」「小売店とのアライアンス」「下流業者向けソリューション」「商品知見を活用した事業展開」。このパターンのうち、自社はどれに該当するのか、「この企業と同じアセットを持っているので、このパターンが良いのではないか」などといった説明を上司にする際、海外企業の動きも役に立ちます。

新規事業の立ち上げ方のポイント3:オープンイノベーション


アセット分析までは新規事業の開始に向けたごく基本的な動きです。その後にやることとして、オープンイノベーション、つまりいかに他社と協力してビジネスを進めていくかを考えていきます。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

市場調査やアンケート調査などを行って、提案資料を作って上司に見せても「自分に都合のいい数字を並べているだけじゃないか」と言われてしまうことも少なくありません。そのような意見を突破するには、他社の名前を使うのが唯一にして最善の方法でしょう。部下の出す資料を信じてくれない上司や役員を動かすには、第三者を巻き込んで、そのネームバリューや声をうまく使うことが必要になります。

しかしオープンイノベーションを進めるうえで、私は1つ課題があると思っています。オープンイノベーションと聞くと、多くの方がマッチングイベントやピッチコンテストなどを思い浮かべるのではないでしょうか。

私が4か月で事業化まで持っていく際のオープンイノベーションは、このようなイベントを開催してマッチングを希望する企業が挙手するようなやり方ではなく、よりピンポイントなやり方です。「あなたの企業とこの企業が連携することで、新しいソリューションを生み出せるので一緒にやりませんか」という提案をして進めます。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

なぜマッチングイベントのようなものをやらないかというと、成功率が極めて低いからです。成功の定義はさまざまですが、売上・利益を上げることとすると、マッチングイベントで成功した事例はかなり限られます。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

一方、成功を収めているケースでは、オープンイノベーションをする企業は自社の強みと相手の強みを分析し、「お互いが持っているものを掛け合わせることでイノベーションを起こせるので、組みませんか」というような問い合わせをしています。すると、相手に「この会社と組めば業界1位になれるかもしれない」と思ってもらいやすくなり、ほぼ 100 % マッチングします。強み同士を掛け算することで業界1位を獲れるというイメージが描ければマッチングの確率は高まるので、自社の強みの分析、他社・業界の分析は、しっかり押さえておくべきポイントなのです。

新規事業の立ち上げ方のポイント4:メディア戦略


新規事業を立ち上げるときに抜け落ちがちですが、私個人として非常に大切だと思っているのがメディア戦略です。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

メディア戦略をするための最大の障壁は「社内」にあります。社内の人たちをどう巻き込んでいくのかが成功の秘訣です。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

新規事業の承認が社内で得られないケースがあるということは、ここまでにお伝えしてきた通りです。その原因の1つとして大きな割合を占めるのが準備不足。データを集めてしっかり分析した資料を作れていないケースが全体の 90 % くらい。その一方、7 % くらいの割合で、資料はしっかりしたものができていて、市場も安定していて成功する可能性のある事業だと思えるのですが、上司や役員が部下を信じていないというケースがあります。

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

この場合どのように社内の承認を得れば良いのか。それは第三者による評価を提示することです。例えば「日経新聞で取り上げられた」「ガイアの夜明けで特集された」などの実績を作ることが効果的。つまりメディア露出を強化していくことも、新規事業担当者に求められます。

メディア露出には、さまざまなパターンがあります。

  • ● リリース配信:情報を短いスパンで発信していく。小規模の企業向け。
  • ● メディアリレーション:細かいリリース配信ができない大手企業向け。さまざまなメディアにアプローチする。例えばテレビ番組の代表ホームページ経由、制作会社経由、 SNS (業界に関する記事を書いている記者のアカウントなど)経由など。
  • ● 寄稿記事:自分で記事を書き Web メディアに納品する

上記の方法でメディアでの発信を行っていくと何が起きるのか。株式会社ニチレイの事例を紹介します。

ニチレイには A さんという方が在籍しています。かつてニチレイでは社内で新規事業の提案がほとんど通らなかったそうです。そこで A さんがさまざまなメディアに露出するようになりました。すると社外の人からニチレイの役員へ「この前、ニチレイの人をテレビで見ましたよ」などと話しかける頻度が増えていきます。このようなケースが増えたことで役員たちは A さんの味方になっていき、 A さんを通してメディアで発信した新規事業の提案が通りやすくなっていったそうです。中長期的な施策としてメディア戦略も積極的に取り組んでほしいと思います。

さらにあるメディアを見た他のメディアから取材依頼が来て横展開をしていくことも可能です。 A さんのようなスター社員を仕立てることも大切なポイントだと思います。

ここで紹介したことを実践することで、新規事業を3〜4か月で事業化することも可能になるでしょう。

講演者紹介

新規事業を4か月以内に立ち上げる4つのポイント

大野 泰敬
株式会社スペックホルダー 代表取締役社長 / 農林水産省 農林水産研究所 客員研究員

複数の企業を経営する事業家兼投資家。ラジオNIKKEI「ソウミラ」、FM愛媛を含む人気FMビジネス情報番組5つのメインパーソナリティ。ソフトバンク株式会社で新規事業に従事し、その後CCCでの経験を経て、2008年にソフトバンクに戻り、日本初のiPhone市場参入におけるマーケティングで大きなシェア拡大を実現。独立後は、14社の大手企業に対して事業戦略、戦術策定、M&A、資金調達を手掛ける。テクノロジー分野においても深い知見を有し、東京オリンピック大会組織委員会のITアドバイザーや麗澤大学、農林水産省、明治大学の客員職を務める。地域社会の課題に対し、大企業と地域企業をマッチングさせ、新しいビジネスチャンスを創出し、地域発展に貢献。農林水産省主催のビジネスコンテストでは審査員長として、食料安全保障や食の持続可能性に関する検討会議の委員としても活躍。著書に「ひとり会社で6億稼ぐ仕事術」、「予算獲得率100%の企画のプロが教える必ず通る資料作成」がある。

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