• 配信日:2022.09.01
  • 更新日:2023.11.09

オープンイノベーション Open with Linkers

スケールフリーネットワークで起こす DX 2.0 と QX

QX ( Quantum Tranformation )とは


データの取得は、スケールフリーを使って個人に紐付けることが重要です。
先ほどの『スマートレシート』はユーザーがデータを集めてくれます。
例えば、ある店舗のユーザーがデータを集めた場合、個人単位で見るとその個人の数パーセントのデータにしかなりません。
ところが『スマートレシート』を使っている人が、そのレシート情報から自分が何を買っているかを知りたいと思うようになると、データのカバー率が全く違ってきます。
すでに次の「量子によるトランスフォーメーションの時代」( QX の時代)が見えてきているのです。

QX の時代


量子産業は「量子コンピューター」だけでは成立しません。
『スマートレシート』のような「膨大なデータ」と「通信」「アプリケーションソフト」が必要です。
量子コンピューターが解決できる問題には「静的な問題」と「動的な問題」の2つのタイプがあります。
静的な問題とは、1回計算したら答えが変わらないものです。材料や創薬がこれにあたります。
動的な問題とは、そのときどきで答えが全て変わるものです。
金融のポートフォリオや会話、もしくは電力など、膨大なデータをもとに最適化することによって、その時その時で価値が生まれます。
そして、これをつなぐネットワークが量子化します。
量子インターネットになると「エンタングルメント」という技術を使って、何百キロも離れたところで量子が同じ状態になります。「重ね合わせ現象」というものを使えば、大量の情報を瞬間的に送ることが可能です。
量子インターネットが興ってくると、今のネットワーク環境が根本から覆ることになります。

量子暗号通信システムの事業化


東芝は 2020 年 10 月に、その最初のアプリケーションである量子暗号通信を、私の部門で事業化することを発表しました。
鍵配送において、世界最高速度と世界最長距離を誇る装置です。
しかし、ユーザーが本当に欲しいのは箱物(装置)ではなく安全な通信です。
API で呼び出せば安全な通信ができるようになるというサービスにすることが重要であり、サービス化によって、その売り上げや利益は 30 倍くらいになると私たちは試算しています。
現在の東芝は世界中で QKD (Quantum Key Distribution :量子暗号通信) サービスを提供できるように動いている状況です。

量子技術が実現する未来の社会


量子技術が実現する未来の社会において大切なのは、箱物を作るだけでなくビジネスモデルも作り、箱物とつながるデータにアクセスできるようにしておくことです。
例えば、先ほどの『スマートレシート』で集めたデータをもとに量子コンピューターで分析することでセレンディピティを皆さんにお届けできるようになるだろうと、思っています。

講演者紹介

スケールフリーネットワークで起こす DX 2.0 と QX

島田 太郎 氏

株式会社東芝 代表執行役社長 CEO
(講演時は同社 執行役上席常務 最高デジタル責任者)

【略歴】
1990年 新明和工業(株)入社。
BoeingとMcDonnell Douglas に出向後、1999年 Siemensの一部である SDRCに入社し、SiemensKK、ドイツのSiemens 本社等経験後、2015年 専務執行役員に就任。
2018年10月 コーポレートデジタル事業責任者として(株)東芝に入社。
2019年4月 執行役常務 最高デジタル責任者、2020年4月 執行役上席常務に就任。
2022年3月 代表執行役社長 CEOに就任。
自動車、精密機器設計、重工業、ソフトウェアのFAのエキスパートとして、大手グローバルメーカーのデジタル化コンサルも行う。現在はロボット革命と産業用IoTイニシアチブ、IoTアクセラレーションラボのアドバイザーとしても活動。

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