- 配信日:2022.08.05
- 更新日:2022.08.05
ビジネスマッチング事例
既存の枠組みに捉われない信用金庫のビジネスマッチング
LFB Conference @Web 2022
地域企業の DX と GX を同時に実現する方法とは?
~ LFB による広域連携で加速する DX / GX ~
【登壇者】※LFB導入順
西武信用金庫 執行役員 事業支援部長 宇佐美 大典 氏
亀有信用金庫 常勤理事 丸山 真 氏
リンカーズ株式会社 代表取締役社長 前田 佳宏
【トークセッション】
『既存の枠組みに捉われない信用金庫のビジネスマッチング』
前田 佳宏(以下、前田) : 本日は、西武信用金庫様の宇佐美様と、亀有信用金庫様の丸山様にもご参加いただき、セッションを行いたいと思います。よろしくお願いいたします。
ー 取引先の人材に関する課題への関わり方 ー
前田 : DX、GX、その他新しいことを実施する上で、中小企業はどのような課題を抱えているとお考えでしょうか。
宇佐美 大典 氏(以下、宇佐美) : 2020年頃からコロナ禍で、様々なDX・GXのセミナーやイベントのご提案をしました。
ご参加いただく経営者の皆様の関心は高いものの、実際に始めるとなると、「DX・GXを推進する人材採用が難しい。適性ある人材を、ぜひご紹介いただきたい」というご意見が多かったです。
前田 : やはり人材難ということですね。
丸山 真 氏(以下、丸山) : DXやGXについては、「これからは真剣に取り組まなくてはいけない」とお答えいただきます。しかし、具体的な話になると、「人がいない」や「人を採用することが難しい」というお声を多く聞きます。
前田 : この1年ぐらい中小企業に直接訪問して、課題を聞き出しています。その課題の3~4割は人材に関することです。
中でも、理系の人材採用が難しいようで、私もこの1年の活動を通して、人材難を実感しています。この人材難には3つの背景があると思っています。それが「給料が安い」「ビジョンに魅力が無い」「勤務地が遠い」です。
「給料が安い」に関しては、日本のGDPの付加価値額を一人当たりで計算すると、中小企業が400~500万円ぐらい、大手企業が約3倍の1,500~2,000万円ぐらいで、3倍以上の差が開いています。
これにより、労働分配率が上げられないという課題が見えてきます。これに関しては、今後Linkers for BANKを軸に金融機関様とM&Aに取り組んで行きたいと思っています。
一人当たりの付加価値額に3倍以上の差が付く理由は、過当競争にあると思っています。同じような部品や、部品以外にも色々な商材を作る中小企業が多すぎて、お互いに競争して買いたたかれてしまうという状況です。その結果、価格を下げざるを得なくなっています。
一方、大手企業は、利益率が高いままです。営業利益率では2倍以上違うのですが、大手企業は、その利益を投資せずに内部留保に回しています。
内部留保に回さず、労働分配率を上げ、よりモノを買うように仕向けることが理想ですが、現実は最悪のスパイラルが起こっているように思います。
私としては、Linkers for BANKを軸に、事業承継等でコストを削減し、営業力も1+1を3とか4に持って行くことで、大手企業に対するコスト競争力を高めることができると考えています。
「ビジョンに魅力が無い」は、見せ方次第で解決できます。最近多いものは「マーケティングの支援をして欲しい」や「デジタルマーケをやってほしい」というご相談です。その一環として、より魅力のある商材に見せて行く必要があると思っています。
例えば、外部の専門家等も活用しながら、高い価値に見せていくことで、価格を上げることもできます。それにより、給料・労働分配率も上がり、「是非ここで働いてみたい」というような人材に対する訴求にも繋がると考えています。
「勤務地が遠い」は、Zoom等でリモート勤務を増やすことができます。弊社にも、名古屋やフィリピンで勤務する社員がいます。日本だけでなく、世界中に社員がいても、問題なくリモート勤務ができる状況です。
このような面からもLinkers for BANKを軸に、金融機関様と連携し、人材難を解決したいと思っています。
既存事業でも人材不足が進んでいると思いますが、人材不足を解決するソリューションには、どのようなものがありますか。
宇佐美 : 最近になってRPA導入の成約率が非常に高くなってきています。こちらは高度なRPAの導入よりも、勤怠管理を中心とした給与計算などです。
属人的なオペレーションをしている企業が多いのですが、従業員にコロナの濃厚接触者が出てしまった、あるいは実際に感染してしまったといった事態に備えて、業務を止めないようにしたいという危機管理意識をお持ちの経営者から、「対策がとれないか」というご相談が増えています。
具体的には、勤怠や給与支払いなどのオペレーションとして、RPAを導入することが多くなっています。コストは、ロボット2台でも400万円程度です。人を一人採用するコストと同等程度で、社会保険や採用費を考えると割安です。
大きな効果を考えるよりも、現場のリスクマネジメント面で考えると、20~30人従業員がいる経営者であれば興味を持っていただけておりますし、これが人材難を解決するソリューションにもなるのかなと考えております。
前田 : RPAは高いという印象がありますが、それでも導入するところは多いのですね。
宇佐美 : 給与が500万円の方の5人体制の業務と比較すると、5台入れても1,000万円かからないので割安といえます。勤怠業務に特化すれば、恐らく年間400万円ぐらいで導入できます。
価格の比較をご提示できれば、経営者は「逆に安い」とおっしゃいます。費用対効果が明確というところが、導入される要因の一つだと感じています。
前田 : RPAを導入すると、稼働時間を減らすことも可能だと思います。ワークライフバランスを重視するために余った時間を余暇に回すのか、それとも他のROIが高い業務に人材をシフトしていくのか、どのような傾向にありますか。
宇佐美 : 新たにDX化専門の人材を雇用したり、従業員の方に新しい業務を経験させたりすることができるとおっしゃる経営者が多いですね。
前田 : 選択と集中をやっていく中で、よりROIが高いところに人材を振り向けていけるのは、すごく良いですね。RPAは2~3年前に、世界で流行りましたが、今は中小企業まで、普及してきた感じですね。
【登壇者】※LFB導入順
西武信用金庫 執行役員 事業支援部長 宇佐美 大典 氏 亀有信用金庫 常勤理事 丸山 真 氏 リンカーズ株式会社 代表取締役社長 前田 佳宏
【トークセッション】
『既存の枠組みに捉われない信用金庫のビジネスマッチング』
前田 佳宏(以下、前田) : 本日は、西武信用金庫様の宇佐美様と、亀有信用金庫様の丸山様にもご参加いただき、セッションを行いたいと思います。よろしくお願いいたします。
ー 取引先の人材に関する課題への関わり方 ー
前田 : DX、GX、その他新しいことを実施する上で、中小企業はどのような課題を抱えているとお考えでしょうか。
宇佐美 大典 氏(以下、宇佐美) : 2020年頃からコロナ禍で、様々なDX・GXのセミナーやイベントのご提案をしました。
ご参加いただく経営者の皆様の関心は高いものの、実際に始めるとなると、「DX・GXを推進する人材採用が難しい。適性ある人材を、ぜひご紹介いただきたい」というご意見が多かったです。
前田 : やはり人材難ということですね。
丸山 真 氏(以下、丸山) : DXやGXについては、「これからは真剣に取り組まなくてはいけない」とお答えいただきます。しかし、具体的な話になると、「人がいない」や「人を採用することが難しい」というお声を多く聞きます。
前田 : この1年ぐらい中小企業に直接訪問して、課題を聞き出しています。その課題の3~4割は人材に関することです。
中でも、理系の人材採用が難しいようで、私もこの1年の活動を通して、人材難を実感しています。この人材難には3つの背景があると思っています。それが「給料が安い」「ビジョンに魅力が無い」「勤務地が遠い」です。
「給料が安い」に関しては、日本のGDPの付加価値額を一人当たりで計算すると、中小企業が400~500万円ぐらい、大手企業が約3倍の1,500~2,000万円ぐらいで、3倍以上の差が開いています。
これにより、労働分配率が上げられないという課題が見えてきます。これに関しては、今後Linkers for BANKを軸に金融機関様とM&Aに取り組んで行きたいと思っています。
一人当たりの付加価値額に3倍以上の差が付く理由は、過当競争にあると思っています。同じような部品や、部品以外にも色々な商材を作る中小企業が多すぎて、お互いに競争して買いたたかれてしまうという状況です。その結果、価格を下げざるを得なくなっています。
一方、大手企業は、利益率が高いままです。営業利益率では2倍以上違うのですが、大手企業は、その利益を投資せずに内部留保に回しています。
内部留保に回さず、労働分配率を上げ、よりモノを買うように仕向けることが理想ですが、現実は最悪のスパイラルが起こっているように思います。
私としては、Linkers for BANKを軸に、事業承継等でコストを削減し、営業力も1+1を3とか4に持って行くことで、大手企業に対するコスト競争力を高めることができると考えています。
「ビジョンに魅力が無い」は、見せ方次第で解決できます。最近多いものは「マーケティングの支援をして欲しい」や「デジタルマーケをやってほしい」というご相談です。その一環として、より魅力のある商材に見せて行く必要があると思っています。
例えば、外部の専門家等も活用しながら、高い価値に見せていくことで、価格を上げることもできます。それにより、給料・労働分配率も上がり、「是非ここで働いてみたい」というような人材に対する訴求にも繋がると考えています。
「勤務地が遠い」は、Zoom等でリモート勤務を増やすことができます。弊社にも、名古屋やフィリピンで勤務する社員がいます。日本だけでなく、世界中に社員がいても、問題なくリモート勤務ができる状況です。
このような面からもLinkers for BANKを軸に、金融機関様と連携し、人材難を解決したいと思っています。
既存事業でも人材不足が進んでいると思いますが、人材不足を解決するソリューションには、どのようなものがありますか。
宇佐美 : 最近になってRPA導入の成約率が非常に高くなってきています。こちらは高度なRPAの導入よりも、勤怠管理を中心とした給与計算などです。
属人的なオペレーションをしている企業が多いのですが、従業員にコロナの濃厚接触者が出てしまった、あるいは実際に感染してしまったといった事態に備えて、業務を止めないようにしたいという危機管理意識をお持ちの経営者から、「対策がとれないか」というご相談が増えています。
具体的には、勤怠や給与支払いなどのオペレーションとして、RPAを導入することが多くなっています。コストは、ロボット2台でも400万円程度です。人を一人採用するコストと同等程度で、社会保険や採用費を考えると割安です。
大きな効果を考えるよりも、現場のリスクマネジメント面で考えると、20~30人従業員がいる経営者であれば興味を持っていただけておりますし、これが人材難を解決するソリューションにもなるのかなと考えております。
前田 : RPAは高いという印象がありますが、それでも導入するところは多いのですね。
宇佐美 : 給与が500万円の方の5人体制の業務と比較すると、5台入れても1,000万円かからないので割安といえます。勤怠業務に特化すれば、恐らく年間400万円ぐらいで導入できます。
価格の比較をご提示できれば、経営者は「逆に安い」とおっしゃいます。費用対効果が明確というところが、導入される要因の一つだと感じています。
前田 : RPAを導入すると、稼働時間を減らすことも可能だと思います。ワークライフバランスを重視するために余った時間を余暇に回すのか、それとも他のROIが高い業務に人材をシフトしていくのか、どのような傾向にありますか。
宇佐美 : 新たにDX化専門の人材を雇用したり、従業員の方に新しい業務を経験させたりすることができるとおっしゃる経営者が多いですね。
前田 : 選択と集中をやっていく中で、よりROIが高いところに人材を振り向けていけるのは、すごく良いですね。RPAは2~3年前に、世界で流行りましたが、今は中小企業まで、普及してきた感じですね。
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