• 配信日:2023.07.10
  • 更新日:2024.07.01

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技術動向:これまでの技術トレンドと2023年以降の注目技術

※【 2024 年5月 21 日追記】2024 年の技術トレンドを紹介した最新記事を掲載いたしました。こちらからご覧ください。

本記事はリンカーズが主催した Web セミナー『 2023 年の注目技術とこれまでの技術トレンド』のお話を書き起こしたものです。

リンカーズの専門の技術調査チームで所長を務める弊社浅野の視点で、注目技術やトレンド技術の動向を紹介します。

セミナーで使用した講演資料を記事の最後の方で無料ダウンロードいただけますので、先端技術動向に興味のある方・情報収集をされている方は、本文と合わせてぜひご覧ください。

リンカーズでは年間350件以上のテーマで技術調査を実施


弊社リンカーズ株式会社では、事業としてビジネスマッチングや SaaS 型マッチングシステムの運営などを行っています。企業の持つ技術と技術を組み合わせてオープンイノベーションを推進するためには、技術について知ることが第一だと考えており、技術調査もサービスとして提供しています。それが『 Linkers Research(リンカーズリサーチ)』で、さまざまな分野の最先端技術を調査・報告するサービスです。

2022 年は年間で 360 件の調査(対象技術は3万件以上)を行い、幅広い分野の技術を調査しました。私もこの調査に参加しており、今回は主観ではありますが、個人的に面白いと感じたトレンドや技術について紹介していきます。

2022年の注目トレンド1:実体験を凌駕(りょうが)するバーチャル体験


デジタル空間でさまざまなイベントを開催したり、マーケットを構築したりする技術は既にありますが、これまでは技術の限界があり、リアルの一部の世界しか再現できませんでした。

しかし近年は現実では体験できない「リアルを超えた体験」をメタバース空間で提供する動きが活発化してきています。

技術動向:これまでの技術トレンドと2023年以降の注目技術

1つ目の例は、世界的に有名なオンラインゲーム『フォートナイト』のゲーム空間で行われたユーザー参加型のイベントです。家に居ながら、世界中の有名なアーティストが出演するライブに参加できるなど、場所や時間を超えた体験をユーザーに提供し、大きな売上を記録しています。

2つ目の例は、メタバースで買い物ができるバーチャルマーケットの事例です。株式会社HIKKYの提供するバーチャルマーケットでは、仮想空間の中で洋服や飲食物などリアルなものも売買できます。リアルな店舗では店の広さなどによって置ける商品の数などに限りがありますが、バーチャルマーケットでは理論上、いくらでも商品を置けるので、現実以上の価値をユーザーに提供できる事例といえるでしょう。

3つ目の例は、メタバースの中で医師に相談ができるメタバースクリニックの事例です。相談する際は匿名のアバターを使用するため、相談者のプライバシーを守ることができます。顔を出して相談するのが難しいことでも話しやすくなる効果がある、画期的なアプローチの仕方だと感じ、注目しています。

技術動向:これまでの技術トレンドと2023年以降の注目技術

少し観点は変わりますが、リアルを超えた体験を提供する技術として、五感を再現する技術を紹介します。

これまで、視覚や聴覚はディスプレイとスピーカーで再現できていたのですが、最近は触覚、嗅覚、味覚を再現する技術も登場してきています。これらを応用することで、五感全てに訴えかける仮想空間が実現できるようになるでしょう。

1つ目の例はハプティクス技術と呼ばれる触覚を再現する技術で、縦方向と横方向の触り心地を区別する特殊な振動を肌に伝える事例です。繊維や生体組織などの感触を再現できます。

2つ目の例は匂いを再現する技術で、小型のディスペンサーを用い、例えば VR 空間で再現した場所に合った香りを再現してより臨場感を高めることが可能です。

3つ目の例は、電気刺激により味覚を制御する技術です。写真にある箸(はし)は、電気刺激により酸味や塩味などを増強するデバイスで、例えば減塩が必要な人でも料理の美味しさを感じられるデバイスとして開発が進んでいます。

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リンカーズ注目の五感(触覚・嗅覚・味覚・視覚・聴覚)再現技術 20 選を弊社セミナーで紹介し、その内容をレポート記事にいたしました。記事内では、セミナーで使用した講演資料を無料ダウンロードいただけます。

2022年の注目トレンド2:きれいな地球への欲求


サステナビリティカーボンニュートラルなどが重視されている昨今、企業としてもこれらへの取り組みが求められています。

さらに企業だけでなく、一般の人でもサステナビリティやカーボンニュートラルなどの活動に参加できるような枠組みも生まれてきています。

キレイな空気や水を得るための技術

まずはキレイな空気や水を得るための技術を紹介します。

技術動向:これまでの技術トレンドと2023年以降の注目技術

1つ目の例は空気の可視化技術です。世界中の空気に関するデータや人工衛星を使って集めたデータなどを統合し、都市の道路1本レベルまで空気の汚れとその原因となる物質を導き出し、マッピングできます。

2つ目の例は家庭から出た排水を機械の中で浄化して再利用するシステムです。台所で使った水を洗濯用の水として利用し、その後トイレ用の水として活用するなど、段々と汚れていても問題のない水に切り替えながら再利用していきます。

3つ目の例は、太陽光を利用して塩水から真水を取り出す技術です。太陽光以外にもさまざまなエネルギーを使って真水を精製する技術が開発されています。人口増加による水不足は世界的な問題であるため、今後注目される技術の1つです。

個人で参加可能なカーボンニュートラル

次はカーボンニュートラルに関する技術を紹介します。これまでカーボンニュートラルは「大手企業が取り組むこと」というニュアンスが強かったように思いますが、最近は NFTブロックチェーンなどと組み合わせることで、個人レベルでカーボンニュートラルに参加できるサービスが増加中です。

技術動向:これまでの技術トレンドと2023年以降の注目技術

1つ目の例はカーボンを削減する権利「カーボンオフセット」を購入するマーケットプレイスです。非常に小さい枠でカーボンオフセットを購入できるため、個人レベルでも利用できます。

2つ目の例は、再生可能エネルギーなどを使って発電している発電所を選んで電力を購入できるサービスです。発電所はアプリから選択可能で、地球に優しい発電方法を採用しているところから電力を買うことができます。

3つ目の例は、メタバースのゲーム空間内で NFT トークンを使って木を植えると、ゲームの運営側が現実(コスタリカの森)にも木を植えるというサービスです。環境団体への募金や寄付でも同じことはできるのですが、ゲームと連動することでユーザー自身の手で環境改善を行ったという実感を得ることができます。(下に続く)

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