- 配信日:2026.01.06
- 更新日:2026.01.21
オープンイノベーション Open with Linkers
D&I推進の切り札!フェムテック/エイジテック注目技術10選:ロンジェビティ&生体センシング技術解説
Inclusive-Tech(障がい・マイノリティの生活支援)の最新技術
Inclusive-Techは、障がい者やマイノリティの方々が日常生活で直面する困難(移動の不安、リハビリの負担、QOLの低下など)に対し、テクノロジーで寄り添い、自立と活躍を支援する技術領域です。
注目技術事例(Inclusive-Tech分野)
身体障がい支援:温熱幻肢感覚を利用した感覚代行技術「MiniTouch」
・概要: École Polytechnique Fédérale de Lausanne(スイス連邦)の研究グループが開発した、義手に温度フィードバックシステムを統合した感覚代行技術「MiniTouch」です 。
・技術的特長: ロボット義手の指先にあるアクティブサーマルスキンセンサが物体の温度を検知し、その情報を残存肢の特定の温熱幻肢感覚投射部位に設置した熱電モジュールへリアルタイムで伝達します。
・応用と価値: 冷水(20℃)、常温水(24℃)、温水(40℃)のボトルを100%の正確度で識別でき、義手使用時の性能が健側手と同程度のレベルに到達しています。切断患者のより自然な感覚の回復、日常生活のQOL向上への支援が期待されています。
視覚障がい支援:スマート白杖「Smart Cane 2」
・概要: イギリスのベンチャー企業WeWALK Limitedが開発・販売する、多機能を搭載した次世代スマート白杖「Smart Cane 2」です。
・技術的特長: TDK株式会社製の6軸IMUセンサ、超音波ToFセンサ、低消費電力マイク、スピーカ、Bluetoothモジュールをグリップ部に内蔵します。前方9.5m先までの障害物検知、頭上の障害物検知、音声フィードバック、スマートフォン連携によるナビゲーションを実現します。
・応用と価値: 従来の白杖に比べ、障害物回避と音声ナビゲーション機能を統合することで、視覚障害者の安全性と自立性の向上、移動範囲の拡大に貢献します。2026年に日本語対応版の発売を目指しており、国内の特別支援学校や盲導犬協会などへの実証も予定されています。
視覚障がい支援:経口電子視覚補助装置「BrainPort Vision Pro」
・概要: Wicab, Inc.(アメリカ合衆国)が提供する、舌の体性感覚を活用し重度失明者の移動・物体認識を補助する非外科的な経口電子視覚補助装置です。
・技術的特長: ヘッドセットの小型ビデオカメラが捉えた映像情報を、舌に装着する394個の電極アレイへ電気刺激パターンとして変換します。
・応用と価値: 重度失明患者の物体認識や移動能力を向上させ、従来の補助手段を補完します。被験者の69%が物体を「見る」ことができた成果が報告されており、視覚情報を舌の電気刺激パターンに変換し、体性感覚を用いて視覚を代替する点に新規性を有します。
ロンジェビティとエイジテック(健康寿命延伸・自立支援)の最新技術
Longevity & Age-Techは、高齢者支援(Age-Tech)の枠を超え、生涯の健康維持(Longevity)に注目した技術領域です。加齢に伴う健康課題に対し、非侵襲的かつ連続的なモニタリングとAI解析を組み合わせることで、通院に依存しない日常的な健康管理と自立支援を実現します。
注目技術事例(Longevity & Age-Tech分野)
疾患ケア:心不全予後評価デバイス「Acorai SAVE Sensor System」
・概要: IAROCA AB(スウェーデン)が開発した、非侵襲マルチセンサAIによる心不全予後評価デバイスです。
・技術的特長: 振動、音響、光学、電気の4種類のセンサを組み合わせたマルチモーダルプラットフォームとAIモデルを搭載します。患者の胸部に数分間当てるだけで、非侵襲的に肺動脈楔入圧(PCWP)と右房圧(RAP)の圧情報、および血行動態鬱血指数を取得・解析します。
・応用と価値: 従来の右心カテーテル検査のような侵襲的な手技が不要で、感染や不整脈などのリスクを伴いません。臨床試験の結果、PCWP(15 mmHg超過)の検出精度はAUC=0.821、RAP(10 mmHg超過)の検出精度はAUC=0.852と高い精度を示し、重症化していない患者を精度よく見分けられることが認められています。
加齢疾患の早期検知:アルツハイマー病可視化モニタリングセンサ
・概要: Yonsei University(韓国)の研究グループが開発した、房水(眼内液)のBACE1を検出する埋込み型眼内蛍光センサ技術です。
・技術的特長: アルツハイマー病(AD)関連酵素であるBACE1に対する特異的なアプタマーを結合させた蛍光センサを、眼内レンズシステムに組み込みます。BACE1が房水内に存在するとセンサから蛍光信号が発せられ、ADの継続的なモニタリングを低侵襲に実現します。
・応用と価値: ADの早期スクリーニングや診断において、低侵襲かつ連続的な疾患進行の観察を可能にします。スマートフォンで撮影した画像を専用プログラムで解析し、非専門家でも容易に解釈できる点に優位性があります。
リハビリ支援:リハビリ効果定量化ウェアラブルデバイス「Welgain」
・概要: トヨタ自動車株式会社(日本)が開発・販売する、リハビリテーション効果を定量的に可視化するウェアラブル生体センシングデバイス「Welgain(ウェルゲイン)」です。
・技術的特長: 加速度センサおよび角速度センサを搭載した超小型センサを体の各部位に装着します。動作データと動画を同時記録・解析し、3Dモデルやアバターで動きを直感的に確認できます。同社の基準となる評価用装置との角度差1度以内の高精度を達成しています。
・応用と価値: 従来の評価が理学療法士の経験や感覚に依存していた課題を解決し、客観的なデータに基づいたリハビリテーション効果の判定と動作解析を可能にします。患者自身がリハビリの進捗を見える化できるため、モチベーション向上にも繋がります。
生体センシング技術調査レポートのご紹介
リンカーズ株式会社では、2018年より生体センシング先端技術の調査レポートを定期的に提供しており、2025年秋版では以下の3部作としてリリースを予定しています。
| レポートの部 | 技術領域 | 含まれる要素技術(例) |
|---|---|---|
| Part 1 | ヘルスケア向け 生体センシング |
非侵襲/低侵襲血糖値センシング、心電/心拍モニタリング、 ストレス/疲労/感情の分析、呼気/汗/尿を用いた健康状態の分析など。 |
| Part 2 | モビリティ/製造/建築/ 小売向け生体センシング |
自動車の運転手の眠気、注意力監視、子どもの車内放置の検知、 製造/建築現場作業員の健康管理、作業者の不安全行動の検出など |
| Part 3 | ダイバーシティ向け 生体センシング |
Fem-Tech(妊娠期/産後ケア、月経/PMSケア)、 Inclusive-Tech(視覚障がい、言語機能障がい)、 Age-Tech(リハビリ支援、高齢者ウェルネス向上) |
本レポートは、国内外の主要企業・アカデミアの技術動向や製品開発を網羅的に編成したものであり、新規事業やR&Dテーマの検討における基礎資料としてご活用いただけます。
本記事でご紹介した最新技術は、そのレポートのごく一部にすぎません。Fem-Tech、Age-Tech、Inclusive-Techの各分野において、貴社のR&Dテーマや新規事業開発に活かせる約120件もの注目技術を深く掘り下げています。
「自社のコア技術を、社会課題解決という新たな市場(ダイバーシティ領域)へどう展開できるか?」
「高齢化社会における未病・予防分野で、競合に差をつける具体的なヒントは何か?」
といった疑問をお持ちであれば、ぜひこのレポートをご活用ください。貴社のビジネス戦略を加速させる価値あるインサイト(洞察)が詰まっています。
詳細な内容や調査企画書については、以下よりお問い合わせください。
講演資料のダウンロードについて
本記事に関するセミナー講演資料を、以下のボタン先の申込フォームからお申込みいただけます。申込フォームに情報を入力後、送信ボタンを押してください。その後、自動的にページが切り替わりますので、そちらから講演資料をダウンロードしてください。
講演者紹介
渡辺 彩子(わたなべ あやこ)
株式会社リンカーズOI研究所 オープンイノベーション研究所 リサーチマネージャー 博士(農学)
【略歴】
名古屋大学大学院 生命農学研究科 博士課程修了。2021年 藤田医科大学 消化器内科にて博士研究員を務め、消化器系疾病と腸内細菌叢の研究に取り組む。2023 年よりリンカーズ オープンイノベーション研究所に入社し、医学、ヘルスケア、バイオテクノロジー領域を中心に先端技術動向調査を行う。
喜多村 悦至(きたむら えつし)
株式会社リンカーズOI研究所 オープンイノベーション研究所 シニアリサーチフェロー 博士(農学)
【略歴】
東北大学加齢医学研究所研究員/石巻専修大学理学部 客員教授。鹿児島大学大学院 連合農学研究科 生物利用科学専攻 博士課程修了。
2003 年英国 Dundee 大学 Life Sciences 学部 博士研究員、2011 年同学部 Senior research associate、2017 年熊本大学発生医学研究所教員を務め、DNA 複製機構や染色体均等分配機構の研究、解明に取り組む。2018 年よりリンカーズ オープンイノベーション研究所に入社し、アカデミアバックグランドを活かして、バイオテクノロジー領域を中心に先端技術動向調査、産学連携促進活動など、製造業向けの技術マッチング活動を支援している。
リンカーズサービスのご紹介
リンカーズ株式会社は、ものづくり企業向けにイノベーション・オープンイノベーションを支援している会社です。技術パートナー探索やユーザー開拓など、ものづくり企業の様々な課題に対してビジネスマッチングを軸にしたソリューションをご提供しています。またあらゆる技術テーマでのグローバル先端技術調査も承っております。
◆技術パートナーの探索には「 Linkers Sourcing(リンカーズソーシング)」
Linkers Sourcing は、全国の産業コーディネーター・中小企業ネットワークやリンカーズの独自データベースを活用して、貴社の技術課題を解決できる最適な技術パートナーを探索するサービスです。ものづくり業界の皆様が抱える、共同研究・共同開発、試作設計、プロセス改善、生産委託・量産委託、事業連携など様々なお悩みを、スピーディに解決へと導きます。
◆技術の販路開拓/ユーザー開拓には「 Linkers Marketing(リンカーズマーケティング)」
Linkers Marketing は、貴社の技術・製品・サービスを、弊社独自の企業ネットワークに向けて紹介し、関心を持っていただいた企業様との面談機会を提供するサービスです。面談に至らなかった企業についても、フィードバックコメントが可視化されることにより、今後の営業・マーケティング活動の改善に繋げていただけます。
◆技術情報の収集には「 Linkers Research(リンカーズリサーチ)」
Linkers Research は、貴社の業務目的に合わせたグローバル先端技術調査サービスです。各分野の専門家、構築したリサーチャネットワーク、独自技術データベースを活用することで先端技術を「広く」かつ「深く」調査することが可能です。研究・技術パートナー探し、新規事業検討や R&D のテーマ検討のための技術ベンチマーク調査、出資先や提携先検討のための有力企業発掘など様々な目的でご利用いただけます。
オープンイノベーションの推進についてお困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
「まだ方向性が決まっていない」
「今は情報収集段階で、将来的には検討したい」
など、具体的な相談でなくても構いません。
リンカーズが皆さまのお悩みや課題を伺い、今後の進め方を具体化するご支援をさせていただきます。
リンカーズはものづくり企業の方向けにさまざまな Web セミナーを開催しています。
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