フードテックとは？トレンドや注目企業を紹介

この記事は、リンカーズ株式会社（以下、弊社）が主催した Web セミナー『技術視点から見るフードテック～非食品事業者含む、業界の枠を超えてフードテックに進化をもたらす最新技術 10 選～』のお話を書き起こしたものです。

弊社では、「技術を知ればアイデアが湧く！」をキーワードに、フードテックの先端技術とトレンドを調査し、その結果をまとめた『技術視点で視る「フードテック」マルチクライアント調査レポート』を作成しています。
このレポートの中から、弊社注目のフードテック企業などを一部抜粋して紹介します。

セミナーで使用した講演資料を記事の最後の方で無料ダウンロードいただけます。
フードテックに興味のある方、フードテックビジネスへの技術の活用アイデアが欲しい方は、ぜひお読みください。

まずフードテックとはなにか、いつごろ「フードテック」という言葉が出てきたのか、Googleトレンドで確認してみました。おそらく、2020 年に発売されベストセラーになった、『フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義』という書籍の影響が強いと思われます。その後、フードテックジャパンが開催されるようになり、米国の CES ®（世界的なテクノロジーイベント）や、Smart Kitchen Summit 、国内フードテックピッチコンテストなどのイベント開催により、徐々に認知され、検索数が増えてきている状況に見えます。

ではフードテックの定義とは何でしょうか。現状、明確な定義はない状況です。海外は Food Technology の意味が強く、日本は Food Technology や、ビジネスモデルの意味が混在している印象です。

日本においては、農林水産省も関与するフードテック官民協議会という団体が発足しており、その中でフードテックは「食分野の新しい技術、及びその技術ビジネスモデル」として取り扱われ、対象とするビジネスは「社会的課題の解決につながる新たなビジネス、食に求める人々のニーズの多様化に対応する新たなビジネス」と言及されています。

これらを加味し、今回はフードテックを 「食に関する先端技術、または、食に関する社会課題やニーズ起点の課題を解決する技術」の視点で取り扱います。

ではフードテックの現況はどのような状況か、まずは世界の投資額の推移です。農林水産省の資料によれば、2022 年まで右肩あがり、2021 年に至っては新型コロナの影響もあり、フードデリバリーなどのスタートアップに投資が激増しています。2022 年の落ち込みは、ウクライナ侵攻に伴うリスクマネー引き上げとしています。

では 2023 年はどうなのかといえば、外部データベースを参照し、概算で確認した結果、2023 年の Q3 時点で 2022 年程度。通年で 30 ～ 40％ ほど減少する見込みと思われます。

ただし、フードテックの技術分野によって、すこし傾向が異なります。緩やかな減少に留まる分野としては、代替タンパク質、バイオエンジニアリング食品技術、食品生産・加工関連技術が挙げられます。一方で、急激に減少するのは、おもに消費者向けの技術分野です。今後の見通しとしては、2023 年は 2019 年と同程度に落ち着くと思われ、完全な下降トレンドではないと思われます。

翻（ひるがえ）って、日本の注目分野としては、フードテック官民協議会で提言されている分野だと思います。注目領域としては、大枠で３つ、持続可能な食糧供給、生産性向上、健康な食生活、と設定されており、幅広い技術が対象となっております。

代替タンパク質の分野について、簡単に説明します。代替タンパク質とは、動物（家畜）から得られるタンパク質を代替する〇〇由来のタンパク質、という意味合いで使われています。由来としては、植物、微細藻類や菌類などの微生物、昆虫、発酵プロセスで得たもの、培養肉などが該当するようです。

10 年ほど前から代替タンパク質開発が進められはじめ、近年では、バイオテクノロジーの進化により、より効率的な生産方法が確立されつつあります。その中で特に注目されているのが、微生物の遺伝子操作を行い、目的タンパク質を生産する精密発酵という技術。そして植物や作物の遺伝子操作により、通常通りに栽培して目的タンパク質を生産する植物分子農業という技術です。

ここまでご紹介した日本およびグローバルの動きを加味し、上図のジャンルの注目プレイヤーや、技術の事例紹介を行います。

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