• 配信日:2022.09.16
  • 更新日:2022.09.27

オープンイノベーション Open with Linkers

カーボンニュートラル Web セミナーレポート 
「カーボンニュートラル×水素/アンモニア燃料の最新技術」

2022 年4月 15 日開催の Web セミナーでは、カーボンニュートラル関連技術の中でも、特に注目度の高い水素とアンモニアの製造から貯蔵や輸送、活用まで、リンカーズの膨大な調査資料から 20 の注目技術をピックアップしました。
以下はセミナーでお話をした概要になりますが、セミナーで使用した講演資料をダウンロードいただけますので、ぜひ本文と合わせてご覧ください。

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カーボンニュートラルとは


カーボンニュートラルに関しては、2020年10月に日本政府が「2050年カーボンニュートラル宣言」において、2050年までに脱炭素社会を実現することを発表し、2020年12月にはNEDOに2兆円規模のグリーンイノベーション基金事業を創設するなど、日本でも実現に向けた検討や取り組みが活発化してきています。
ひとくちに「カーボンニュートラル」と言っても、再生可能エネルギーの利用や電動化/水素化、消費エネルギーの削減、低炭素材料/素材の利用、エネルギーマネジメントなど関連技術は多岐にわたります。また、CO2の回収/再利用技術や、カーボンニュートラルな燃料合成技術など、新しい技術も続々と開発されてきています。
こうしたカーボンニュートラル関連技術の中でも、今回は水素とアンモニアの製造から貯蔵や輸送、活用までにフォーカスしました。

カーボンニュートラル関連技術・紹介事例


水素製造技術の事例紹介

水素製造技術に関しては、現在、実用化されているのは化石燃料を改質する改質法が主ですが、カーボンニュートラルな水素製造を可能とする電気分解や光触媒、熱化学法、バイオマス活用なども期待されています。
改質法は炭化水素を改質して水素を取り出す手法であり、メタンガスと水蒸気を触媒反応させる水蒸気改質法は設備が安価で水素収率も高いため、工業分野で多く実用化されています。ただし水蒸気改質法は加熱や触媒が必要なため、設備が大掛かりになることが課題であり、小型設備で水素を得る技術として、発熱反応である炭化水素の燃焼反応を用いた部分酸化法も期待されています。
セミナーでは、独自の熱触媒を用いたメタンの高温熱分解を用いてCO2を出さずに水素と固体炭素のみを生成するクリーンな技術を持つアメリカのC-Zero Inc.や、オイルサンド貯蔵層から二酸化炭素を排出せず水素だけを取り出す技術を持つカナダのProton Technologies Canada Inc.を紹介しました。
改質法以外の水素製造技術について、セミナーではCO2と水から1ステップで水素とCOの合成ガスを生成する固体酸化物電解セル技術を持つドイツのSunfire社、太陽光集光装置と固体酸化物高温電解槽を組み合わせた水素生成システムを持つアメリカのBloom Energy Corporation、モジュラー式でメガワットクラスで初のAEM電解槽を開発したドイツのEnapter AGなどについて紹介しました。

水素の貯蔵/運搬や利用技術の事例紹介

水素の貯蔵/運搬や利用技術については、水素ガスを高圧圧縮して体積を減らしたり、液化させて貯蔵/運搬する手法が技術として確立されていますが、高強度のタンクを製造できるメーカーが限られていたり、液化に必要なエネルギーが大きいなどの課題があります。そのため、有機ハイドライドや水素貯蔵合金、アンモニアなどの水素キャリアを用いた水素貯蔵技術が活発に研究されています。
有機ハイドライドなどの有機キャリア材料に水素を化学的に結合させて貯蔵し、利用時に触媒反応で水素を分離して利用する手法は、液体のキャリア材料を利用することで、タンカーなどで大規模運搬できることが大きな利点です。
セミナーでは、ベンジルトルエン溶剤系の技術を持つドイツのHydrogenious LOHC Technologies GmbHや、イリジウム触媒技術を持つ京都大学の研究を紹介しました。
水素貯蔵合金や金属化合物に水素を取り込ませる技術は、常温常圧で安定して水素を貯蔵できることがメリットですが、重量が大きくなるため、輸送には向かず、定置向けエネルギーストレージシステムなどに用いられることが多いようです。セミナーでは、材料設計の柔軟性が高く近年注目が集まっている金属有機構造体(Metal Organic Frameworks: MOF)を用いた水素貯蔵技術について紹介しました。
また、アンモニアを水素キャリアとして利用する手法も注目が高まっています。有機ハイドライドと比べて水素含有率が高く、また常圧下で -33℃若しくは常温8.5気圧で液化するため、液体キャリアとしてLPGと同様のインフラで運搬することが可能であるといったメリットがあります。
セミナーでは、モジュラー型のアンモニア製造技術を持つカナダのAmmPower Corp.や、東京工業大学や京都大学におけるアンモニア合成触媒に関する研究、アンモニアから水素を取り出す最新技術について紹介しました。
また、水素エネルギーの利用方法としては、燃料電池として活用する以外に水素やアンモニアを直接燃焼させてエンジンやタービンを動かす方法があります。こうした直接燃料としての利用は研究段階のものが多いですが、燃料電池を用いたシステムに比べて、低コスト化やハイパワーを実現できると期待されています。セミナーでは水素バーナーや水素ボイラー、アンモニアを用いたガスタービンシステムについて複数の事例を紹介しました。

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登壇者紹介

カーボンニュートラル Web セミナーレポート 「カーボンニュートラル×水素/アンモニア燃料の最新技術」

浅野 佑策

リンカーズ株式会社 オープンイノベーション研究所 所長

【略歴】
東北大学工学部卒業( 2006 年)、東北大学大学院工学研究科修了( 2008 年)。
株式会社東芝 生産技術センターにおいて半導体製造プロセスの研究開発に従事。
その後、アクセンチュア株式会社にて大手製造業における工場デジタル化や業務自動化などのデジタルトランスフォーメーションを複数推進。
現職では、メーカーでの研究開発とコンサルティングの経験を活かしてエレクトロニクス領域を中心に、先端技術動向調査、技術マッチング、技術情報を効率的に収集するための技術開発など、製造業向けのイノベーション創出を支援している。

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