- 配信日:2026.03.03
- 更新日:2026.03.03
オープンイノベーション Open with Linkers
シュナイダーのイノベーションマネジメントシステム(IMS)の秘密:再現性を生む「4つの柱」を徹底解説
3つ目の柱〜アジャイルかつリーンなイノベーションプロセス〜
3つ目の柱はイノベーションプロセスです。弊社では、このプロセスとして、アジャイル開発の特徴を持つイノベーションファネルを整備しています。イノベーションファネルは、アイデア出しからスケールアップまでを反復的かつ無駄なく進めるプロセスです。
- 1.アイデア出し
- 2.探求
- 3.インキュベーション
- 4.スケールアップ
の4つのステージで構成されています。それぞれのステージの詳細について説明します。
アイデア出し
最初の「アイデア出し」には3つの段階があります。
1つ目は、スコープを決めること。スコープは市場セグメントや地域、提供範囲、問題範囲などで定義します。
2つ目は、定義したスコープに対するアイデアを収集すること。アイデアは、顧客の課題、新興技術、既存オファーの代替など様々な視点で生まれるため、弊社では全社員がいつでもアイデアを Web で投稿できる「アイデアボックス」を整備しております。
3つ目は、顧客にとっての魅力、実現可能性、持続可能性に基づいて、集まったアイデアの評価を行い、事業戦略との整合性を踏まえて選定することです。
探求
2つ目の「探求」について。「アイデア出し」のステージで選定したアイデアからコンセプトを作成し、イノベーションの機会を検証することが「探求」の目的です。顧客を観察することからスタートし、選出されたアイデアがどのような独自の価値を作り出せるのかを探求します。
その観察結果を踏まえたブレインストーミングを通じてコンセプトの定義を進めます。そして、経済価値の最大化を考慮しながらブレインストーミングを繰り返すことにより、コンセプトをブラッシュアップしていきます。
また、ブラッシュアップしたコンセプトのビジネスとしての成功可能性を高めるために、改めて顧客にとっての魅力、実現可能性、持続可能性の観点でチェックを行い、コンセプトリスクの軽減を図ります。
インキュベーションとスケールアップ
最後のステージとなるのが、インキュベーションとスケールアップです。「探求」で作成したコンセプトの妥当性を顧客の環境で検証するために、実際に動作するプロトタイプを作ります。この際、最低限の機能のみで作ることにより、顧客のフィードバックを得て早期に方向修正ができるようにするとともに、コンセプトリスクを低減できるようにしています。
このプロトタイプを実際の弊社顧客の環境やオープンイノベーションを活用したパートナーに利用してもらい、フィードバックを得ます。そのフィードバックを基にプロトタイプを改良していき、アーリーアダプターからの支持が得られるようスケールアップしていきます。
さらに、オファーを拡大していきながら最適化させることにより製品化を進めていくという流れです。
4つ目の柱〜ビジョンと戦略に整合したガバナンス〜
4つ目の柱であるガバナンスについてお伝えします。
弊社は複数の事業部で構成されており、同じグループ内であっても地域、文化が多様です。そのため、それぞれの事業部が単独でイノベーション活動を進めると、企業全体としてのビジョンや戦略の整合性を保つのが難しくなったり、迅速な意思決定ができなくなったりする場合があります。
そこで弊社では全社的な位置づけで、ガバナンス委員会と、部門横断的な運営委員会を設置しています。これらの委員会がイノベーションファネルのフォローアップをしたり、意思決定を支援したりすることで、企業全体としてのビジョンや戦略の整合性を確保するアンカーとなっているのです。
また、全社的な位置づけで CTO オフィスというチームがあります。このチームは、イノベーションの KPI を監視しています。 KPI は、イノベーションの費用や時間、内容に関するものや、イノベーションに対する組織文化や社員の意識に関するものまで多岐にわたります。
このように、ガバナンスや KPI を管理して、企業全体としてのビジョンや戦略の整合性を保ちつつ、迅速な意思決定ができる仕組みを整備しているのです。
イノベーションマネジメントシステム(IMS)は常に改善していくもの
ここまでに紹介した弊社の IMS は、弊社のビジネスの延長から組み立てた独自のものです。この IMS が妥当なのか検証するべく、ベンチマークできるものがないかと探していたところ、 ISO 56000 という IMS の国際規格があることを知りました。そこで、弊社の IMS の改善点を見つけてより良くするために、 ISO 56000 の研究を行っています。
まだまだ試行錯誤をしている最中ですが、複雑化する社会に対応するために、失敗を恐れず、外部パートナーと協働しながら挑戦を続けていきます。
講演者紹介
池添 剛 氏
シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社 Senior Principal Architect
2001年、シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社(当時:株式会社デジタル)に入社。
入社以来24年間にわたり、産業用HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)製品のソフトウェア研究開発に従事。製造業DXにおいて標準となったリモート監視製品や、次世代HMIソフトウェア製品の研究開発に、市場形成前の立ち上げからリーダーとして携わる。
現在は、ソフトウェア製品のSenior Principal Architectとして、社内外のイノベーション活動を含む業務を推進している。
高瀬 裕史 氏
シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社 Senior Design Engineer
2011年、シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社(当時:株式会社デジタル)に入社。
入社以来、産業用HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)製品のファームウェア開発に従事し、現在はR&D部門にてSenior Design Engineerとして新製品の開発設計をリード。
特に、新製品開発における技術的課題の解決や価値創出に注力しており、現場ニーズを起点としたイノベーション活動を通じて製造業の進化に寄与。社内外の技術者との協働を通じて、次世代HMIの可能性を広げる取り組みを推進している。
濱 徹也 氏
シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社 Senior Principal Architect
2005年、高知大学大学院理学研究科博士後期課程を修了後、シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社(当時:株式会社デジタル)に入社。
入社以来、産業用HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)製品の開発に従事し、現在はR&D部門にてSenior Principal Architectとして、次世代表示技術のアーキテクチャ設計をリード。
製品開発に加えて、社内外のイノベーション活動にも積極的に取り組み、オープンイノベーションを通じた新たな価値創出や技術者コミュニティとの連携も推進している。
※関連リンク:
・シュナイダーエレクトリック公式サイト
・Pro-faceブランド公式サイト
オープンイノベーションを支援するリンカーズのサービス
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