
- 配信日:2025.02.26
- 更新日:2025.03.05
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【CES 2025】最新技術&トレンド徹底解剖!AI、IoT、デジタルヘルスなど
2025年1月7日~10日(現地時間)に、世界最大のテクノロジー見本市「CES 2025」がアメリカ・ラスベガスで開催されました。今年は、AI 、 IoT 、デジタルヘルスなどの分野に注目が集まり、各社から革新的な新技術や製品が発表されました。
本記事はリンカーズ株式会社(以下、弊社)が主催したWebセミナー『CES 2025 報告会』の内容を編集したものです。弊社からスタッフが現地へ赴き、さまざまな情報を得たので、その内容をまとめて報告します。
記事の最後では、セミナー講演時に使用した資料を無料にてダウンロードいただけますので、あわせてご覧ください。
目次
● CESとは?世界最大のテクノロジー見本市の注目すべき理由
● CES 2025の見どころ・会場の雰囲気
● CES 2025 出展企業分析|国別ランキング・カテゴリー別トレンド
○ CES 2025 出展企業分析|国別ランキング
○ CES 2025 出展企業分析|カテゴリー別トレンド
● CES 2025 注目技術まとめ|分野別トレンドと最新事例を徹底解説
○ CES 2025 デジタルヘルス/ライフスタイル分野|注目技術と企業事例
・ウェアラブルデバイスを用いた健康状態モニタリング
・ライフスタイルに応じた健康管理技術
・自宅でのパーソナライズドヘルスケア技術
○ CES 2025 モビリティ/ロボティクス/IoT 分野|注目技術と市場動向
・大手企業の重機、自動車関連の技術事例
・スタートアップのモビリティ関連技術事例
・高機能センシングと周辺ハードウェア技術
○ CES 2025 ソフトウェア/XR/AI 分野|注目技術と今後の展望
・エッジAIの基盤技術
・ ARの日常生活への浸透と障害者支援への応用
・ XRのための次世代インターフェース
○ CES 2025 Emerging Tech 分野|注目技術と持続可能性への貢献
● CES 2025 テックベンチャーの先端技術動向調査レポート*より詳しく知りたい方におすすめ
CESとは?世界最大のテクノロジー見本市の注目すべき理由

弊社では、毎年ラスベガスで開催される CES というテクノロジーの展示会の現地取材をしています。今回はその報告会です。

CESは、元々家電の見本市として始まりましたが、今や大手企業やベンチャー企業などがこぞって参加するテクノロジーの祭典として毎年注目を浴びています。家電の枠を超えて IoT や AI 、ヘルスケアなどいろいろなジャンル・産業のテクノロジーが集結しており、大手企業にとってはテクノロジーのビジョンや新しいコンセプトを発表する場としても定着しています。
さらに、世界中のテックベンチャーが集まるため、いち早く次世代の技術に触れることができるのも CES の特徴です。
コロナパンデミックの影響で、2021年から CES はオンラインのみの開催となりましたが、 2023 年以降は現地開催に戻っています。かなり大規模な展示会で、CES 2025の出展企業数は 4,500 社以上で、参加者数は 14 万人以上でした。

会場は非常に広く、いくつかのパートに分かれています。 LVCC という会場は大手企業や中小企業などの展示が多いエリアです。そこからシャトルバスで移動した Venetian という会場は、様々な分野のスタートアップが数多く集結しています。
CES 2025の見どころ・会場の雰囲気

画像はCES 2025 における LVCC という会場の様子です。非常に多くの来場者で賑わっていました。

もう一方の Venetian については、スタートアップが所属している国や団体ごとに出展している Eureka Park というエリアがあり、大手・中小企業が中心の LVCC とはまた異なる雰囲気でした。参加者については LVCC と同様に多く、コロナ禍以降毎年現地取材している中で過去最も多いのではないかと感じました。スタートアップに興味を持っている人も増えているのでしょう。また展示については国単位での出展はもちろん1〜2企業単位、あるいは特定の企業のイノベーショングループによって作られたブースも多く見受けられました。国別に見ると韓国の出展ブースが多く、年々増えている印象を受けます。国ごとのブースをそれぞれ見ても毎年大きくなってきており、企業単位ではなく国単位でスタートアップを成長させていこうとしているのだと強く感じました。
Venetian の2階は1階の Eureka Park に比べ、もう少し成熟した企業が出展しているエリアとなっています。そちらも国ごとにブースが出展されており、やはり国単位で企業の成長を支援している印象を受けました。
また Innovation Awards Showcase(イノベーションアワードショーケース)という、 CES 2025の運営者が「この技術はイノベーションだ」と評価した技術の出展スペースがあり、こちらは昨年に比べ、展示レイアウトが見やすくなったと感じました。世界的にどのような技術が評価されているか一覧できるエリアとして、CES 運営者が昨年以上に力を入れているのではないかと思います。
CES 2025 出展企業分析|国別ランキング・カテゴリー別トレンド

出展組織数はオンライン開催の時期に減ってしまいましたが、その後着実に戻ってきており、 2025 年はパンデミック前の水準を超えました。参加者数についても順調に増えています。
CES 2025 出展企業分析|国別ランキング

CES 2025 出展組織の国別ランキングについて、例年通り上位5カ国はアメリカ、中国、韓国、フランス、台湾で構成されています。今年の特徴として香港からの出展企業数が伸び、オランダを上回る結果となりました。中国に関しては、パンデミック前の水準まで回復しただけでなく、さらに出展企業数を増加させています。

また、国別のイノベーションアワード受賞組織数を見ると、韓国企業の躍進が顕著です。従来はアメリカが最多でしたが、2024年に韓国がアメリカを上回り、今年はその差をさらに広げています。日本の存在感も年々増していると感じられます。
CES 2025 出展企業分析|カテゴリー別トレンド

CES 2025のカテゴリーについては、時代のニーズに応じて一部変更がありました。新設されたカテゴリーとしては「エネルギートランジション」や「ファッションテック」などが挙げられます。一方で、「 Web3 」や「ウェルネステクノロジー」は廃止され、ブロックチェーンなど他のカテゴリーに統合されたものと考えられます。

カテゴリー別の出展状況を見ると、例年通り AI 、 IoT 、ビークルテック、デジタルヘルスなどが主要な分野となっています。特に AI は様々な業界への浸透が進んでおり、関連する出展企業数は着実な成長を示しています。

イノベーションアワード受賞組織に焦点を当てると、ビークルテック分野が特に目立った存在感を示しています。
各国の特徴的な傾向については以下の通りです。

アメリカは 1,000 組織以上が参加し、特に AI 関連の出展が顕著です。全出展組織との比較では、ビークルテック関連の比率が高い一方で、スタートアップの割合はやや低めとなっています。

中国は出展企業数が著しく伸長していますが、スタートアップ企業の比率は低く、アクセサリーやスマートホームなど、一般消費者向け製品の展示が中心となっています。

韓国は2年前と比較して出展企業数がほぼ倍増し、大手企業からスタートアップまで、企業規模を問わず CES で最も注目を集めている国の一つと言えます。

フランスは例年通りスタートアップの比率が高く、政府支援による出展が目立ちます。分野としては、 AI 、サステナビリティ、スマートシティ関連が主流となっています。

日本については、スタートアップの存在感が年々増しています。全体平均と比較すると AI 関連の割合はやや低いものの、ビークルテックやロボティクス分野での展示が特徴的です。