- 配信日:2026.06.15
- 更新日:2026.06.15
シーズ技術の顧客開拓事例
シーズ起点から「アウトサイド・イン」の事業創出へ|日本精機Linkers Marketing活用事例
日本精機株式会社 技術開発本部 新規事業開発部による、技術販路開拓/用途仮説検証サービス「 Linkers Marketing 」の活用についてお話を伺いました。
日本精機株式会社は、車載用メーターや世界シェアトップクラス(約3割)を誇るヘッドアップディスプレイ(HUD)を主力製品とするメーカーです。同社の新規事業開発部では、強みである「光学技術」や「センサー技術」のアセットを活かし、社会課題や市場のニーズから新事業を組み立てる「アウトサイド・イン」の考え方で、新たな領域への展開を目指しています。
今回は、自社技術の方向性がまだ固まりきっていない段階で「 Linkers Marketing 」を活用して市場のリアルな声を吸収し、大手自動車メーカーとの共同テストへ進展するなど確かな成果を上げられた、小林和也氏(技術開発本部 新規事業開発部 新規事業企画課 エキスパート)にお話を伺いました。
◆目次
1. 導入前の課題:自分一人では限界だった「顧客探索」
ーーはじめに「 Linkers Marketing 」の活用前に抱えていらっしゃった課題。つまり「 Linkers Marketing 」が解決すべき課題は何だったのかをお聞かせください。
小林氏:社会課題からコンセプトを立案し、エキスパートへのインタビュー等を通して検証する段階になったのですが、具体的なターゲット顧客への提案とレスポンスを集めるための「新規顧客を開拓する手段」が無く、検証が進まない状態でした。
この課題を解決するため、私一人で対象業界の展示会へ足を運び、設計担当者にアタックしようと試みました。しかし、当該業界は技術を秘匿して開発を進める傾向が強く、提案相手を見つけることができませんでした。また、自社の車載メーターの既存営業ルートを通じて、関係部署を紹介してもらえないか打診したこともあります。しかし、営業部門にはそれぞれの担当領域やミッションがあり、既存の重要顧客との関係性にも配慮する必要があったため、社内ルートだけで全く新しい提案先を開拓することには限界がありました。どうしても自分一人では先に進めない、「顧客が見つけられない」という課題がありました。
2. 導入の決め手:他社を圧倒する「アプローチ母数」
ーーではその課題に対して、「 Linkers Marketing 」のどのような点にご期待をいただいたのでしょうか。また、他社サービスとの比較などがあればお聞かせください。
小林氏 :自力での顧客探索に限界を感じ、いくつか調査会社に顧客開拓を依頼しようと相見積もりをお願いしました。実は以前からリンカーズの無料ウェビナーを受講しており、「私がアタックしたい会社の名刺情報をたくさん持っているだろうな」という期待感があったのが相談のきっかけです。リンカーズの「 Linkers Marketing 」に決めたのは、一番コスパが良かったからです。他社は「数社レベルなら当たれます」という回答でしたが、リンカーズは私たちが提案したいと考えていた30社中27社のアプローチしたい部門・役割の方へ直接提案が可能でした。圧倒的にアタックできる母数が違いました。また、過去の実績から1提案で平均4.2社 * との面談実績があるということも決め手になりました。
*24年7月末時点
小林氏 :また、私がやりたかったのは、やっぱりまだ「モノ」としてできていない段階で、これからそのモノを開発していっていいかということを確認することだったのです。特定の1社にだけ聞くというよりは、いろんな会社さんに反応を聞いてみたい、という段階でしたので、そういう意味でもリンカーズさんのサービスの方が非常に良かったなと思います。
3. 活用と成果:想定外のキーマン登場と、共同テストへの進展
ーー「 Linkers Marketing 」はまさに、技術が柔らかい段階での用途仮説の検証やフィードバック獲得をご支援するサービスです。実際にアプローチを実施されて、期待した状態への変化や成果などはございましたでしょうか。
小林氏 :結果的に50社にアプローチして、7社と面談することができ、大変良かったと感じております。獲得した面談相手の方もばっちり狙っていたキーマンでした。
中には驚くような反響もありました。ある企業様との面談の際、思いがけず部長級など上の役職の方が複数名参加されたのです。私一人では手に負えないため、急きょ社内から5名を集めて対応しました。
ーーまだモノができていない段階での提案だったとのことですが、具体的な事業化へ向けた進展はあったのでしょうか。
小林氏 :はい。ある企業様との面談では、「ぜひその製品を使いたい」と高い評価をいただき、サンプルを持参しての試験(共同テスト)を一緒にやっていただけることになりました。確実な進展があり、非常に嬉しく思っています。
ーーそのような成果が出ている中で、日々の業務でのシステムの使い勝手や、リンカーズのサポート体制についてはいかがでしたか?
小林氏 :システムから顧客リストをExcelで出力できるのですが、ダウンロードするたびに最新のレスポンス状況が反映されるので非常に使いやすかったです。また、リンカーズの担当者様が面談前の調整に入っていただき、「当初のターゲット業界ではない部材メーカーだが、ウェブ面談だけでも良いか」といった事前確認を丁寧に行ってくれた点も助かりました。
4. 意識の変化と今後の展望:「アウトサイド・イン」の事業創出に向けて
4. 意識の変化と今後の展望:「アウトサイド・イン」の事業創出に向けて
ーー今回の取り組みを通じて、社内の意識や他部署との関係性に変化はありましたか?
小林氏 :弊社はもともと研究開発(R&D)部門が強く、「技術シーズをどう使うか」というインサイド・アウトの考え方が主流です。しかし、今はニーズから入る開発に変えていかなければならない時代だと思っています。
新しい顧客を探すプロセスを自分一人でやるのは無理だと痛感しましたし、こういった外部のサービスを活用して新しい顧客を探す手法があることを社内に示せたのは良かったと思います。
ーーでは最後に、今後の弊社サービスの活用の仕方、展望をお聞かせください。
小林氏 :今後も新規事業企画を継続しますので、新規顧客の開拓に利用させていただきたいと考えています。今回は3〜4ヶ月の50社プランでしたが、もう少し気軽に、アイデアに近い段階でエキスパートにインタビューできるような「0.5ヶ月程度」の短期プランを作っていただければ、より活用の幅が広がると期待しています。
以上のように「 Linkers Marketing 」の活用に関してお話を伺いました。自社技術の方向性がまだ固まりきっていない段階であっても、リンカーズのネットワークを活用して積極的に市場へアピールし、キーマンの反応やフィードバックを得ることで、確実な事業化への一歩を踏み出された日本精機様。シーズ起点でありながら、市場のリアルな声を取り入れていく「アウトサイド・イン」の事業創出のお手本とも言える素晴らしい事例でした。私どもも小林様からいただいた短期プランへのご要望などを受け止め、より柔軟で価値あるサービスをご提供できるよう努めてまいります。
聞き手、文責:リンカーズ株式会社
5. 企業プロフィール
■ 日本精機株式会社について
車やバイクの速度や回転数などを表示するメーター(車載計器)を主力製品とするメーカー。バイク用のメーターは東南アジアや南米をメインにグローバルで生産・供給している。また、車のフロントウインドウに速度やナビゲーション表示をするヘッドアップディスプレイ(HUD)は30年以上にわたって開発・製造を手掛け、世界シェア1位(約3割)の支持と高い技術力、信頼性を有する。2025年12月にトヨタ自動車株式会社のSUV『RAV4』に搭載され、HUDの普及による交通事故の低減・防止に取り組んでいる。また、表示器に表示するためのセンサーも手掛けており、燃料タンク内の燃料液面センサーやスピードセンサーなども供給。「みえないものをみえるようにする」ことで、安心と感動に満ちた社会と未来をつくることを目指している。
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