• 配信日:2023.09.19
  • 更新日:2024.06.24

オープンイノベーション Open with Linkers

おいしさを数値化するフードテック~味の分析事例~

フードテックの活用事例の紹介〜FOODATA〜


おいしさを数値化するフードテック~味の分析事例~

FOODATA は、一昨年くらい前から提供している伊藤忠商事が母体のサービスです。さまざまな商品の POS データや消費者データに加え、味の見える化データ・ SNS の集計データが収録されており、さまざまな分析をすることが可能です。

おいしさを数値化するフードテック~味の分析事例~
おいしさを数値化するフードテック~味の分析事例~

いろいろなマーケティングツールを活用したり、データベースを複数導入したりしている企業もいますが、 FOODATA ではさまざまな情報を集約してワンストップで分析できることに強みがあります。 FOODATA を活用すれば、時間・コスト削減を実現できるでしょう。企画開発に使ううえで欠かせない理論的なデータシステムと考えています。

おいしさを数値化するフードテック~味の分析事例~

FOODATA では、 SM ID-POS 分析、コンビニデータ、当社が提供している味覚分析のデータ、消費者調査分析のデータ、 SNS 分析、主に5つの分析ができます。お問い合わせいただければトライアルも可能です。

おいしさを数値化するフードテック~味の分析事例~

SM ID-POS 分析では、リピート率をエリア別で見ることも可能です。例えばビールで2位の「サントリー からだを想うオールフリー」はリピート率が高く、 50 代の方が最も購入している、といった市場分析ができます。

おいしさを数値化するフードテック~味の分析事例~

バスケット分析では、スーパーの買い物時に「お惣菜とお弁当を一緒に買っている」など、データから判断できます。

おいしさを数値化するフードテック~味の分析事例~

味覚分析と SM ID-POS を組み合わせることで、売れている味のバランスを見ることが可能です。例えば、苦味・酸味が少ないものが売れていることを、味の設計・売上のデータが証明してくれるのです。

味分析にはさまざまな味覚軸がありますが、おすすめの軸に絞って一気に見ることもできます。初心者の方でも見やすいでしょう。

おいしさを数値化するフードテック~味の分析事例~

独自の消費者調査データ解析では、酎ハイを買うきっかけなどがわかります。 40 〜 50 代の女性は、見た目のパッケージを気にしているという結果も現れています。

おいしさを数値化するフードテック~味の分析事例~

SNS 分析データでは、 Twitter(現X) や Instagram などでどのような投稿があったのかレポート解析できます。例えば、ずっと流行っているレモンサワー・レモン酎ハイ・レモンハイを分析したレポートもあります。

おいしさを数値化するフードテック~味の分析事例~

Twitter(現X) の人気投稿記事を羅列して、報告書としてダウンロードすることも可能です。

フードテックの活用事例の紹介〜FOOD NFT〜


おいしさを数値化するフードテック~味の分析事例~

最後に、新しい味データの使い方、 FOOD NFT について紹介します。

レシピは著作権がない、とよくいわれており、雑誌の掲載レシピやクックパッドなどのレシピが流出することが問題視されています。

レシピで作った食に対して、味の数値を NFT でデジタル化することで、味を記録してレシピを未来永劫残す、といった事業を始めています。

おいしさを数値化するフードテック~味の分析事例~

こちらは FOOD NFT を WEB 3.0 で繋げていく事業構想です。

おいしさを数値化するフードテック~味の分析事例~

FOOD NFT には現在当社で作ったヴィーガンカレー、だいたいウニなどが登録されています。味を数値化したレシピを NFT に出して世界でシェアすれば、買いたい人が買う、といった使い方ができます。世界中の有名シェフ・好きな芸能人のレシピを集めるなども可能です。

おいしさを数値化するフードテック~味の分析事例~

例えば、NFT 化された「だいたいウニ」はウニが手に入らない国や地球環境危機によりウニが取れなくなっても、世界各国で安定した味を再現できるでしょう。これは代替食や食文化の保存にもつながることなのです。

おいしさを数値化するフードテック~味の分析事例~

お母さんの味を NFT 化して後世に残したい、というカレーレシピコンテストも先日行いました。おふくろの思い出の味を残したいと思うのは、人間の本能かもしれません。

このように FOOD NFT に期待する点として、「味を後世に残していく」というものがあります。

地域食・伝統食などは作る人がいなくなり、次第に忘れられてしまうかもしれません。

FOOD NFT は、本来の味覚センサーとしての使い方である食譜(食のレシピを楽譜に例えたもの。楽譜があれば古典音楽が現代でも再現できる。)の概念を踏襲し、NFT として記録する事業です。現在ではこの FOODNFT の活用を考えるコンソーシアムを設立していますので、ご興味ある方はぜひお問いわせください。

最後になりましたが、味覚を数値化するという事業から20年でさまざまな使い方が生まれました。創業当初はさほど見向きもされませんでしたが、デジタル化など社会の関わり方が変化するにつれ、おいしさの数値化の需要は一層高まっているように思えます。また味を再現し、遠くの人へ転送する…なんてドラえもんの世界のようなことはすでに始まっていたりします。味の世界が数値化するだけではない、ネクストステージへと進んでいると肌身を持って感じています。

講演者紹介

おいしさを数値化するフードテック~味の分析事例~

髙橋 貴洋 氏
株式会社味香り戦略研究所 主席研究員

東京理科大学大学院理学部化学科 2007 年卒大学院修士課程卒。
在学中に味分析の技術と出会い、同社へ直接電話をして入社。
現在、12 万アイテム以上の味分析を行い、味のデータデース構築・解析・分析コンサルなどを手掛け、会社主催の「味覚レベルアップ講座」の講師では、企業や一般の方を対象に味覚や嗅覚について講義を行う。
おいしさに関連した、メディア・学会・講演(年間 20-30 以上)の対応も行っている。
著書に「「うまい! 」の科学 データでわかるおいしさの真実 (イースト新書Q) 2020 年発刊」がある。

オープンイノベーションを支援するリンカーズの各種サービス

リンカーズでは「食」に関するテーマをはじめ、貴社の要望に合わせて世界の技術動向を調査するサービス「 Linkers Research(リンカーズリサーチ) 」や、貴社の技術課題を解決できる最適な技術パートナーを探索するサービス「 Linkers Sourcing(リンカーズソーシング) 」などがございます。

「 Linkers Research 」サービス紹介ページ
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