- 配信日:2023.05.11
- 更新日:2024.09.24
オープンイノベーション Open with Linkers
ウェルネステック(ヘルステック・フードテック・ビューティーテック他)xパーソナライズ注目技術20選
ビューティーテックxパーソナライズ領域
「ビューティー」 x 「パーソナライズ」領域も、「食(フード)」 x 「パーソナライズ」領域と同じ傾向があり、 AI 技術を中心として既存の美容サービスにつなげる技術が現在の主流です。
一方で現在、肌状態の解析技術については、機器だけで解析を行う技術もありますが、まだ大きな進化は見られない印象です。ただし、アプリを使って肌解析をするという技術がここ数年で劇的な進化を遂げているように感じます。
事例11:Perfect Corporation の技術「ARおよびディープラーニング技術を搭載した肌診断ツール」
Perfect Corporation という台湾の企業では、AR 技術を搭載し、ディープラーニング技術を応用したリアルタイム肌状態分析ツールを開発しています。このツールは医療用画像7万枚を用いて機械学習を行い、さらにスキンケアの専門家によって検証も行われてます。
スマートフォンのカメラ撮影により瞬時に肌状態を数値化するツールで、平面的な画像だけでなく立体的な画像も読み込めるのがこのツールの特徴の1つです。
B to B で展開されているツールのため私たちが知る機会は少ないものの、大手化粧品会社や小売の EC 事業者などに広く採用されています。今後、このツールにより取得したデータをどのように活用するかという部分で、競争が激化するのではないかと予想しています。
事例12:Ulta Beauy, Inc の技術「肌分析結果から最適な製品の試用を可能にするアプリ」
Ulta Beauy, Inc というアメリカの企業も、事例 11 と同じようにスマートフォンで撮影した画像から肌診断を行うアプリを開発しています。異なる点は、 AR 技術によって疑似的なメイクアップが可能なことです。さらに肌の状態から最適な化粧品などの提案をユーザーに行うことも、このアプリの売りとなっています。
事例13:L’Oréal S.A. の技術「AI分析によりカスタマイズされた化粧品を提供」
L’Oréal S.A. というフランスの企業では、AI 分析したデータを参考に、デバイスを用いてユーザーに合ったスキンケア、ファンデーション、リップを提供する技術を開発しています。 AI モデルを作成し、そのモデルを使って化粧品を提案するという流れです。
インプットデータとして、モバイルアプリのカメラで肌画像を撮影し用いるだけでなく、住んでいる場所やその日の天気などといった環境要因も合わせて解析するのが大きな特徴です。
事例14:凸版印刷株式会社の技術「AIの顔印象分析によって製品を提供」
凸版印刷株式会社では、メイク用品の自動販売機を開発しています。 AI の顔印象分析によってそのユーザーに適切なメイク用品のパレットを作成し提供します。この自販機によって世界に1つしかないパーソナライズ商品の提供が可能です。
事例15:株式会社資生堂の技術「DNA検査に基づいた肌ケアを提案」
株式会社資生堂では、専用キットで唾液を摂取して検査し、独自に作成したモデルを元に遺伝子情報を解析して肌体質を導き出し、肌ケア方法を提案する技術を開発しています。
今後データの蓄積によってさらに精度が高まっていくと思われ、現状は単一遺伝子のみしか扱っていませんが、さまざまな遺伝子を使った複合解析もできるようになれば技術的な成長も見込まれるでしょう。
フィットネス/スポーツテックxパーソナライズ領域
運動能力や筋肉量などは個人で異なるので、その人に合ったフィットネス / スポーツのフィードバック技術が開発されています。
ここでは5つの事例を紹介します。
事例16:Moticon ReGo AG の技術「センサー内蔵スマートインソール」
Moticon ReGo AG というドイツの企業では、センサーが内蔵された靴の中敷きを靴に入れることで歩行データを取得し、フィードバックする技術を開発しています。歩数や歩幅を検出するだけでなく、センサーで足裏にかかる圧力を測定し、踏み込み方・左右の圧力の差・圧力の差が生じる身体の原因などをレポート形式でフィードバックします。
リハビリテーションにも活用でき、何らかの障害を負った後の回復状況を歩き方などから検出することにも適しています。
事例17:myDNA Life Australia Pty Ltd. の技術「生活習慣改善・健康目標達成のためのDNA検査」
myDNA Life Australia Pty Ltd. というオーストラリアの企業では、ユーザーが自身の口の中の粘膜を採取して郵送すると、スマートフォンアプリにレポート結果が送られてくる技術を開発しています。
すでに一般化された DNA 検査方法ではありますが、フィットネス / スポーツに特化したサポートを行っているのがこの企業の特徴です。
DNA 検査結果をもとにトレーニングスタイルや栄養管理方法をはじめ、脂肪燃焼の効率、減量した体重の維持能力にどのような食品が影響しやすいかなどをまとめたレポートを提供します。自宅にいながら個人の遺伝的性質を把握し、それぞれに適したフィットネス / スポーツの提案を得ることが可能です。
事例18:Segterra, Inc. の技術「血中バイオマーカーを用いた健康管理アドバイス」
Segterra, Inc. というアメリカの企業では、運動によって体内環境が変化しても対応可能な健康管理アドバイス技術を開発しています。
ユーザーが自身の血液と生活習慣情報などを提供し、そのデータとさまざまな研究情報から個人に適したスポーツ・食事など、健康管理方法をアドバイスします。既存のウェアラブルデバイスで取得した運動データを提供することでアドバイスを受けることも可能です。
事例19:Leomo, Inc. の技術「貼付型モーションセンサーを用いたアスリート支援ソリューション」
Leomo, Inc. というアメリカの企業では、筋肉に直接貼り付けたり、靴紐に取り付けたりすることで筋肉の反応や動きなどといった情報を取得してモバイル端末に提供するセンサーを開発しています。
利用場面としては、例えば正確なフォームが再現できているか、意図したフォームの改善ができているか、自分の動きにあったツールは何かなどを確認することなどが挙げられます。
プロのアスリートの利用実績もある技術です。
事例20:WellBe Ltd の技術「ストレス状態から最適なエクササイズを提供」
WellBe Ltd というイスラエルの企業では、腕時計型のデバイスで1時間あたりランダムに3分間の心拍数を計測し、その変化に基づいてストレスや緊張具合を4段階で評価する技術を開発しています。
この技術はスケジュールアプリとの連動も可能で、例えば仕事の会議によってどの程度ストレスがかかっているかなどを計測することも可能です。すなわちストレスの原因やストレスを軽減する要因を分析することができます。
また個人のストレスの状況によって、呼吸法・リラックス音楽・瞑想(めいそう)法などを含めた、パーソナライズされたエクササイズの提供も行います。
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講演資料のダウンロードについて
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講演者紹介
喜多村 悦至
リンカーズ株式会社 リサーチプラットフォーム事業本部 オープンイノベーション研究所 シニアリサーチャーフェロー 博士(農学)
東北大学加齢医学研究所研究員。
鹿児島大学大学院 連合農学研究科 生物利用科学専攻 博士課程修了。
2003 年英国 Dundee 大学 Life Sciences 学部 博士研究員、2011 年同学部 Senior research associate、2017 年熊本大学発生医学研究所教員を務め、DNA 複製機構や染色体均等分配機構の研究、解明に取り組む。
2018 年よりリンカーズ オープンイノベーション研究所に入社し、アカデミアバックグランドを活かして、バイオテクノロジー領域を中心に先端技術動向調査、産学連携促進活動など、製造業向けの技術マッチング活動を支援している。
久留 和成
リンカーズ株式会社 リサーチプラットフォーム事業本部 オープンイノベーション研究所 リサーチマネージャー 博士(医学)
九州大学大学院 医学研究科 博士課程修了。
2002年 日本宇宙フォーラム、2003 年 英国 Dundee 大学、2006 年 英国Imperial college London にて博士研究員、2010 年 佐賀大学医学部、2015 年 北海道大学歯学部にて生理学・薬理学分野の教員を務め、中枢神経領域における摂食調節・糖尿病研究に取り組む。
2022 年よりリンカーズ オープンイノベーション研究所に入社し、医学、ヘルスケア、バイオテクノロジー領域を中心に先端技術動向調査を行う。
黒田 昇平
リンカーズ株式会社 リサーチプラットフォーム事業本部 オープンイノベーション研究所 リサーチマネージャー
九州大学工学府物質プロセス工学専攻修士課程修了。
大手化粧品メーカー、大手電機メーカーなどで研究開発・事業開発に従事。
2021年より現職にて、主にメディカル・ヘルスケア、日用品・消費財系の技術動向調査を行う。
オープンイノベーションを支援するリンカーズの各種サービス
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