- 配信日:2023.01.24
- 更新日:2024.07.29
オープンイノベーション Open with Linkers
大学発ベンチャーの先端技術~毛細血管測定による健康・未病指標の確立(あっと株式会社)
この記事は、リンカーズ株式会社が主催した Web セミナー「高い技術力で世界に注目される大学発ベンチャー」を書き起こしたものです。
ウェビナーでは、あっと株式会社 代表取締役 武野 團 (たけの だん)さまに、『毛細血管測定を進化させて世界の医療に新改革を起こす』というテーマでお話しいただきました。
ヘルスケア業界の先端技術や、優れた技術を持つ大学発ベンチャーの取り組みに興味のある方は、ぜひご覧ください。
血管に関する患者数の増加
あっと株式会社は世界の人々の健康を守ることをミッションとしたヘルスケアスタートアップです。新しい健康・未病指標の確立を目指しています。
がん・緑内障・糖尿病・認知症などの患者が国内だけでも 1,000 万人以上おり、現在も増加中です。
これらは全て血管に関連した病気であることから、血管診断や検査指標が確立・普及できていない現状があります。
世界を見ても血管に関する病気(糖尿病など)の患者は増加しており、血管に関する病気は発見が遅れやすいことから死亡率も増大しています。さらに合併症を併発するという特徴もあります。
未病を見える化する毛細血管測定
弊社が重視している「未病の可視化」を毛細血管測定によって実現しています。現在、日本人の毛細血管は画像にある黄色信号の状態の方が非常に多く、まさに「日本国民総未病時代」です。
一方、糖尿病などの合併症を併発している方は赤信号の画像のような、毛細血管が細くて短く、蛇行しているような状態になっています。毛細血管が健康で栄養や酸素が細胞までしっかり届いていれば細胞が生まれ変わり、手足の切断といった最悪の事態を避けることが可能です。
このような自身の状態を知るために、未病指標の確立が重要になってきます。
毛細血管観察自体は昭和初期から行われていましたが、エコーや MRI の進歩によって忘れ去られた技術になっていました。それを 2003 年ごろに私の父が毛細血管観察装置を小型化しリリースしたところ、さまざまなメディアで取り上げられました。
さらに私の方で小型化を行い、その後この技術を医学とするためには科学としてのステップを踏む必要があったため、数値化を検討しました。その際に大阪大学との共同研究をスタートし、数値化できたことで理化学研究所・慶應大学との共同開発で未病指標・長寿者指標の確立に取り組むことができました。
最近では東北大学との共同研究により「緑内障診断の有用性」というテーマで学会発表をしています。