- 配信日:2023.01.19
- 更新日:2024.07.29
オープンイノベーション Open with Linkers
イノベーション事例~OKIの取り組みを徹底解説
この記事は、リンカーズ株式会社が主催した Web セミナー「~ OKI から学ぶ ~ オープンイノベーション徹底解剖」と「ISO56002 に則った全員参加型イノベーション~ IMS 実践事例紹介」のお話を編集したものです。
ウェビナーでは、沖電気工業株式会社 執行役員 イノベーション責任者( CINO )兼 技術責任者( CTO )の藤原 雄彦 様に「社会課題を解決する OKI の全員参加型イノベーション」というテーマでお話しいただきました。
イノベーションに興味のある方は、ぜひご覧ください。
◆目次
・OKI の IMS(イノベーション・マネジメントシステム)“ Yume Pro ”
・ISO56002 におけるイノベーションプロセス
・OKI のイノベーション推進の課題と具体施策
・OKI のイノベーション創出事例
OKIの IMS(イノベーション・マネジメントシステム)“Yume Pro”
OKI がイノベーション活動を本格的に開始したきっかけは経営者の危機感でした。
OKI は受注開発型で ATM やプリンターなどのシステムをお客様へ納品して収益を稼ぐビジネスモデルで、このままのモデルでは右肩上がりに収益を生み出していくことは難しくなると予想されます。そこで新しい事業を創出し、既存事業も革新していく必要がありました。
「新しい事業を興すならば新しいプロセスでなければ実現できないだろう」という考えと、IMS ( Innovation Management System )が国際規格になりそうな情勢から当時の社長・鎌上が IMS を OKI に導入することを決断。 イノベーションの仕組み作り( Yume Pro )を始めました。
ISO56002におけるイノベーションプロセス
Yume Pro プロセスの設定
「新しい発想でアイデアを出せ」といくら言っても、何に対してアイデアを出せばいいのか戸惑ってしまうでしょう。どの方向に進むのか、マネジメント層が合意して示していくことが必要です。
OKI では 2020 年にイノベーション戦略を作り、ロードマップを作成し、進むべき方向性を示しています。
ロードマップや進むべき方向性が描けたら、今度は、社員が新規事業の創出・既存事業の革新を行えるよう、 ISO 56002 をさらにブレイクダウンした『 Yume Pro プロセス』というものを設定しました。
ビジネスモデルキャンパスの活用
OKI が Yume Pro の中で重視しているのが、ビジネスモデルキャンパスです。ビジネスモデルキャンパスを活用するためには「誰に」「何を」「どうやって」の順序で物事を考えていく必要があります。
OKIのイノベーション推進の課題と具体施策
イノベーションを起こすのに最も大切なことは、現場の課題を炙り出すことです。そこで 新規事業を経験した部長・部門長および経営者 50 人に個別のインタビューを実施しました。
目指す姿を設定した後に、イノベーション活動を開始し、プロセスに沿って進めていく中で、主に以下のような現場の生の声が上がってきました。
「『新しいことをやれ!』と言われても、どう行動すればよいかわからない」を解決する3つの施策
目的なくアイデア会議を行っても、翌日には現業に戻ってしまい、なかなかビジネスに結びつかないという悪循環が生まれてしまいます。
この悪循環をなくすため、OKI では3つのことにチャレンジしてきました。
- ・デザイン思考 / アート思考の教育
- ・イノベーションの専門家の参画
- ・イノベーションに必要な行動のガイドラインの作成
「組織の縦割りが強く、協力してくれる人を集められない」を解決する施策
企業が大きくなるほど縦割りの傾向が強まります。今後オープンイノベーションに取り組んだり、新規事業を創出したりするには組織が横につながって、協力していかなければなりません。
そこで OKI では次のような取り組みを進めてきました。
Yume ハブ
『 Yume ハブ』という、各部門から選任したイノベーション伝道師と交流できる場を設置しました。これにより各部門の横のつながりを広げていくということを毎年行っています。
イノベーション・ダイアログ
イノベーション・ダイアログは ISO 56002 の中にあるトップマネジメントに関わる重要な取り組みです。社長自ら2週間に1回社員と直接対話する機会を設けています。
Yume Pro フォーラム
『 Yume Pro フォーラム』とは、各部門のイノベーション事例を紹介する取り組みです。
Yume Pro チャレンジ
ビジネスアイデアコンテスト『 Yume Pro チャレンジ』は、 ISO 56002 のプロセスを活用して「機械の特定」「コンセプトの創造」といった部分をビジネスモデルキャンパス、さらには仮説の絵に仕上げて経営者にプレゼンするという取り組みです。
OKI PEDHIA
さらに『 OKIPEDIA 』という社内保有技術を一元的に見られるようデータベース化する取り組みも行いました。