• 配信日:2025.06.02
  • 更新日:2025.06.02

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表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

表面処理技術:低摩擦・潤滑技術の分析結果


表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

低摩擦・潤滑技術(表面の摩擦係数を減らす技術)としては、特に環境負荷の少ない材料を使用しながら摩擦を低減する研究が活発です。

低摩擦・潤滑技術のWeb上の分析結果

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

低摩擦・潤滑技術の主な研究分野として、まず高硬度・ポリマー複合材料があります。これは軸受け、ベアリングなどに適用される樹脂や複合材料の開発で、樹脂マトリックスへの固体潤滑剤分散やダイヤモンドライクカーボンコーティングなどが含まれます。

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

また、高機能シールや表面テクスチャーの研究も進んでおり、表面の形状を制御することで摩擦損失を抑える技術の研究も進められています。画像左側は、表面の微細な凹凸を加工することによる機械的摩耗を低減する技術です。画像真ん中と右側は、潤滑油の効率的な作用を促す表面構造を工夫した技術となっています。

低摩擦・潤滑技術に関する論文の分析結果

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

論文分析からは DLC 、グラフェン酸化物などの素材の応用や、表面改質・複合加工による形状制御といった分野が注目されていることがわかりました。

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

特に伸び率の高い「摩擦攪拌や超音波併用で組織制御し低摩擦化」について見ていきます。

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摩擦攪拌加工(回転するドリルで金属をかき混ぜながら接合する技術)や超音波振動を利用した表面改質技術が研究されています。

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで
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表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

具体的には、超音波併用レーザークラッディングによる高品位皮膜形成や、複合粒子添加と多層摩擦攪拌で行う微細組織の同時強化・耐摩耗化、振動支援やレーザー併用を含む複合表面改質で狙う低摩擦の高耐久化などの技術が、件数は少ないながらも進められています。

表面処理技術:抗菌・抗ウイルス技術の分析結果


表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

続いての抗菌・抗ウイルス技術はコロナ禍以降さらに注目度が高まった分野です。

抗菌・抗ウイルス技術のWeb上の分析結果

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抗菌・抗ウイルス技術の主な研究内容として、ナノ構造や生物の構造を模倣し、菌が繁殖しにくい表面やウイルスが増えない表面を作る技術が企業・大学などで進められています。

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

また、繊維への抗菌・抗ウイルス技術の応用や、様々な形状の表面への抗菌・抗ウイルス機能付与についても研究が行われています。

抗菌・抗ウイルス技術に関する論文の分析結果

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

論文から見る動向としては、環境配慮型コーティング技術のさらなる躍進、ナノ複合材料と表面設計で実現する機能拡張などが進んでいます。

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

特に成長している「植物抽出由来アプローチによる多機能ナノ粒子合成と抗菌応用指針」の分野ついて詳しく見ていきます。

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

カテキンやエッセンシャルオイルなどの植物由来抗菌成分をポリマーに混合する方法が研究されています。

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表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

また、金属酸化物と植物成分の組み合わせによる抗菌性能向上や、エッセンシャルオイル由来のナノ化技術、植物抽出液(フラボノイドやタンニン)を還元剤として用いた金属ナノ粒子のグリーン合成と応用なども注目されています。

表面処理技術:熱制御技術の分析結果


表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

次は熱制御技術の分析結果です。

熱制御技術のWeb上の分析結果

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熱制御技術にも様々なアプローチがありますが、主な技術として、放射冷却・高反射素材を使った表面膜技術(車内や室内の温度上昇を抑制)が挙げられます。

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表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

また、ガラス・窓の熱透過制御技術や、自動車への応用(熱制御コーティング)も活発に進められています。

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

さらに建築・設備・インフラへの応用技術も開発されています。

熱制御技術に関する論文の分析結果

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

論文から見る傾向として、複合材料・ナノ技術が支える新世代熱対策、高温環境への耐久化と火災防止技術の強化などの開発に力が注がれています。

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで
表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

注目されている技術として「銀ナノワイヤや MXene (マキシン)で柔軟性と多機能性を両立する次世代熱管理技術」があります。 MXene はグラフェンに似た2次元材料で、非常に薄いシート状物質です。

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで
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表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

具体的には、超薄膜銀ナノワイヤ電極を使ったウェアラブル断熱技術、 MXene 複合による高効率電磁波シールド・加熱融合応用、高伸縮 MXene 繊維によるウェアラブルセンサーと熱制御などの開発が活発化しています。

表面処理技術:自己修復技術(セルフヒーリング)の分析結果


表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

続いては、まだ実用化はそれほど進んでいない分野ですが、自己修復技術(セルフヒーリング)の分析結果です。

自己修復技術(セルフヒーリング)のWeb上の分析結果

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで
表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

インフラ・コンクリートのひび割れ自己修復技術や、高分子・有機分子を利用した自己修復技術などが研究されています。

自己修復技術(セルフヒーリング)に関する論文の分析結果

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで
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表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

特に「動的結合を用いたポリマーの可逆的自己修復設計」が注目されており、一度切れたポリマー同士が温度上昇や超音波などの刺激で再結合する特殊なポリマー開発が進められています。

表面処理技術:バイオ相容性技術の分析結果


表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

最後はバイオ相容性技術の分析結果です。

バイオ相容性技術のWeb上の分析結果

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

細胞や血液などと適合する表面処理技術の開発が進んでいます。

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

またインプラント部品などの組織親和性向上や医療器具の研究開発も行われています。

バイオ相容性技術に関する論文の分析結果

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで
表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで
表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

特に注目されている「ナノコンポジットで抗菌性と生体適合性を両立する先進医療技術」について、具体的にどのような開発が進められているのか掘り下げます。

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで
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表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで
表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで
表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

ナノ粒子を使った多層コーティングや、微細構造による生体親和性の向上、様々なアプローチによる生体親和性や抗菌性などを高める研究が行われています。

リンカーズのサービス紹介とまとめ:AIを活用した次世代リサーチを支援


表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

リンカーズでは、 Deep Research などの AI だけでは難しい調査にも対応したサービスを提供しています。例えば、数万件の特許・論文から技術トレンドを網羅的に分析し、価値あるインサイトを提供する「 Linkers Trend Map 」や、AI だけではなく人間の調査ノウハウと知識を活かした「 Linkers Research 」などがあります。

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

最近は「機能性素材」、「表面処理技術」、「テキスト生成AIの産業活用」など、多くの方に興味を持っていただけそうな技術分野について、直近5年の論文を網羅的に調査し、技術トレンドを解析したレポート(「 Linkers Trend Map – 技術総覧 – 」)も提供しています。R&D や新規事業企画の基礎資料として、効率的に世界の研究動向を把握することが可能です。

以下から「 Linkers Trend Map 」に関するサービス資料およびサンプルレポートを無料ダウンロードいただけますので、ぜひご覧ください。

「 Linkers Trend Map 」サービス資料の無料ダウンロードについて

「 Linkers Trend Map 」サービス資料を、以下のボタン先の申込フォームからお申し込みいただけます。フォームに情報を入力後、送信ボタンを押してください。その後、自動的にページが切り替わりますので、そちらから資料をダウンロードしてください。

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講演者紹介

表面処理技術の最新動向:4万件論文徹底分析!耐摩耗・耐食から自己修復まで

浅野 佑策
リンカーズ株式会社 イノベーション推進事業本部

【略歴】
東北大学工学部卒業( 2006 年)、東北大学大学院工学研究科修了( 2008 年)
株式会社東芝 生産技術センターにおいて半導体製造プロセスの研究開発に従事。
その後、アクセンチュア株式会社にて大手製造業における、工場デジタル化や業務自動化などのデジタルトランスフォーメーションを複数推進。
現職では、メーカーでの研究開発とコンサルティングの経験を活かして、エレクトロニクス領域を中心に、先端技術動向調査、技術マッチング、技術情報を効率的に収集するための技術開発など、製造業向けのイノベーション創出を支援している。

オープンイノベーションを支援するリンカーズの各種サービス
リンカーズ株式会社は、ものづくり企業向けにイノベーション・オープンイノベーションを支援している会社です。技術パートナー探索やユーザー開拓など、ものづくり企業の様々な課題に対してビジネスマッチングを軸にしたソリューションをご提供しています。またあらゆる技術テーマでのグローバル先端技術調査も承っております。

技術パートナーの探索には「 Linkers Sourcing(リンカーズソーシング)」
Linkers Sourcing は、全国の産業コーディネーター・中小企業ネットワークやリンカーズの独自データベースを活用して、貴社の技術課題を解決できる最適な技術パートナーを探索するサービスです。ものづくり業界の皆様が抱える、共同研究・共同開発、試作設計、プロセス改善、生産委託・量産委託、事業連携など様々なお悩みを、スピーディに解決へと導きます。

技術の販路開拓/ユーザー開拓には「 Linkers Marketing(リンカーズマーケティング)」
Linkers Marketing は、貴社の技術・製品・サービスを、弊社独自の企業ネットワークに向けて紹介し、関心を持っていただいた企業様との面談機会を提供するサービスです。面談に至らなかった企業についても、フィードバックコメントが可視化されることにより、今後の営業・マーケティング活動の改善に繋げていただけます。

技術情報の収集には「 Linkers Research(リンカーズリサーチ)」
Linkers Research は、貴社の業務目的に合わせたグローバル先端技術調査サービスです。各分野の専門家、構築したリサーチャネットワーク、独自技術データベースを活用することで先端技術を「広く」かつ「深く」調査することが可能です。研究・技術パートナー探し、新規事業検討や R&D のテーマ検討のための技術ベンチマーク調査、出資先や提携先検討のための有力企業発掘など様々な目的でご利用いただけます。

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など、具体的な相談でなくても構いません。
リンカーズが皆さまのお悩みや課題を伺い、今後の進め方を具体化するご支援をさせていただきます。

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