- 配信日:2024.03.11
- 更新日:2024.11.22
オープンイノベーション Open with Linkers
カーボンニュートラル注目材料~MOF・ペロブスカイト材料・ナノ触媒材料~
ペロブスカイト材料の技術概要
ペロブスカイト材料は ABX3 という形で、主に3種類の元素を組み合わせて作られている構造体です。 MOF と同じように A と B と X にどの原子・分子を入れるかによってさまざまな特性を持たせることができます。非常に自由度の高い材料として、昨今注目されています。
ペロブスカイト材料の研究事例
現在、ペロブスカイト材料の光吸収性に着目し光の吸収効率が良く、太陽光電池に使う研究が増えてきています。今回の事例では、太陽光電池以外の事例を中心に紹介します。
SeeO2 Energyの事例
こちらはカナダのベンチャー企業 SeeO2 Energy の事例です。燃料電池の電極にペロブスカイト材料を活用する研究をしています。特殊なペロブスカイト化合物を使うことで CO2 と水から一酸化炭素、水素、酸素の混合物に、電気化学的に変換するということが可能なシステムを作りました。このシステムの特徴は、陽極と陰極どちらにも同じペロブスカイト化合物を使っているので、逆反応を起こし電池として使うということもシームレスに対応可能な点です。
Technische Universitat Wienの事例
オーストリアの大学である Technische Universitat Wien でも、 CO2 と水素を水と一酸化炭素に効率よく変換するペロブスカイト触媒の開発をしています。燃料電池の電極としてペロブスカイト材料は非常に注目されています、
Pohang University of Science and Technologyの事例
ペロブスカイト太陽電池の研究では組成や製造プロセスの研究が多いのですが、韓国の大学である Pohang University of Science and Technology では、ナノインプリントリソグラフィという細かい判子のようなものを使って、太陽光電池の表面の構造を凹凸にすることで反射防止・撥水機能を付けるという表面処理技術を開発しました。
ナノ触媒材料の技術概要
ナノ粒子やナノワイヤーなどと呼ばれるような、ナノオーダーに細かくした材料を使った技術です。物質がナノオーダーまで小さくなると1つの粒を構成している原子の数が数十〜数百個になり量子的な振る舞いが顕著になるため、粒子のサイズや形状がその特性に色濃く影響します。こうして大きなバルクとは違った物理的・化学的反応を示すことがナノ構造体の特徴です。
現状、ナノ触媒材料は自動車の排気ガス浄化や光触媒、電気化学触媒として使われるケースが多く見られます。
ナノ触媒材料の研究事例
つばめBHB株式会社の事例
日本のベンチャー企業である、つばめBHB株式会社では、アンモニアを低音・低圧で合成するシステムを開発しています。アンモニアを合成する触媒にナノ粒子を使用しています。
QD-SOL LTDの事例
イスラエルのベンチャー企業である QD-SOL LTD では、太陽光を使って水を水素と酸素に分解する光触媒材料を開発しています。ナノロッドの先端にナノ粒子が付いているという特徴のある触媒を使用しています。
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講演者紹介
浅野 佑策
リンカーズ株式会社 リサーチプラットフォーム事業本部 オープンイノベーション研究所
東北大学工学部卒業( 2006 年)、東北大学大学院工学研究科修了( 2008 年)
株式会社東芝 生産技術センターにおいて半導体製造プロセスの研究開発に従事。
その後、アクセンチュア株式会社にて大手製造業における、工場デジタル化や業務自動化などのデジタルトランスフォーメーションを複数推進。
現職では、メーカーでの研究開発とコンサルティングの経験を活かして、エレクトロニクス領域を中心に、先端技術動向調査、技術マッチング、技術情報を効率的に収集するための技術開発など、製造業向けのイノベーション創出を支援している。
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