• 配信日:2022.07.21
  • 更新日:2024.08.07

オープンイノベーション Open with Linkers

オープンイノベーション事例 ~ サントリーの取り組みを徹底解説 ~

この記事は、リンカーズ株式会社が主催した Web セミナー「~ サントリーから学ぶ ~ オープンイノベーション徹底解剖」を書き起こしたものです。
ウェビナーでは、サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社 研究推進部 上席研究員(オープンイノベーション担当)の鈴木 雄一 様に「サントリーにおけるオープンイノベーションの取り組み」というテーマでお話しいただきました。
オープンイノベーションに興味のある方は、本記事をぜひご一読ください。

サントリーグループの事業内容


オープンイノベーション事例 ~ サントリーの取り組みを徹底解説 ~

簡単に、サントリーグループの事業内容を紹介します。
メインの事業としては清涼飲料、ビール・ワイン・スピリッツなどのお酒、それから健康食品といったものが3本の柱となっています。サントリーはもともとお酒の会社としてスタートしましたが、今では清涼飲料水の売り上げの方が増えている会社になっています。
私たちサントリーグローバルイノベーションセンターは、グループの基盤研究を担う会社として 2013 年に設立されました。さまざまなグループの事業会社に対して基盤研究の成果を提供するということが、私たちのメインのミッションになっています。

サントリーグローバルイノベーションセンターの研究領域


オープンイノベーション事例 ~ サントリーの取り組みを徹底解説 ~

私たちの研究領域は、大きく分けて3つあります。
1つ目は、画像の左下にある「美味の追求」です。ビールや飲料などを美味しくしていくための技術開発・研究開発を行っています。
2つ目は、「健康先取り」です。例えば特定保健飲料や、サプリメントなどにどんな素材を使用し、どんな効能・効果を生み出したら良いのかというような研究を行っています。
3つ目は、画像の右下にある「サステナビリティ」です。水の研究や植物、私たちが開発する商品の原料、例えばホップなどの研究も行っています。その中でも、私たちの商品の原料のほとんどを水が占めているため、水に関する研究、あるいは森林のかん養​​に関する研究に力を入れています。

サントリーグローバルイノベーションセンターの主な研究成果


オープンイノベーション事例 ~ サントリーの取り組みを徹底解説 ~

成果事例:青いバラ

左側は青いバラです。私たちが培ってきた遺伝子組み換え・バイオインフォマティックスなどといった研究成果を、青いバラとしてうまく実現することができました。
右側は、さきほど水科学の研究についてお話ししたとおり、地下の水の流れを可視化するといった技術開発です。表面に流れている川などは目で見れば分かりますが、さらに地下の流れを可視化することによって、より私たちの森林かん養の効果を高めることなどを目指しています。

オープンイノベーション事例 ~ サントリーの取り組みを徹底解説 ~

成果事例:特茶

こちらの画像は『特茶』を開発した事例です。「基盤研究」の段階で『特茶』に入っているケルセチン配糖体の効能を発見します。その後、その成分の安全性の評価などをおこなって『特茶』という商品の発売につなげております。

オープンイノベーション活動の歴史


オープンイノベーション事例 ~ サントリーの取り組みを徹底解説 ~

私たちサントリーグローバルイノベーションセンターのオープンイノベーションの歴史についてお話しします。
サントリーグローバルイノベーションセンターの前身の研究部門において、2007 年ごろから仲介会社によるマッチングサービスを活用し始めました。 そのころは専門部署がなく、研究部門の企画担当者がオープンイノベーション活動をおこな っていました。2013 年にサントリーグローバルイノベーションセンターを設立するときに、オープンイノベーションの専任部署を設置しています。その後、さまざまな試行錯誤をしていく中で、2017 年には大学・あるいは公的機関などと連携した、課題解決のための技術導入プロセスを確立しました。
2021 年、私が着任した頃からスタートアップや最先端技術情報も含めて、それをどのように価値に変換するのかといった取り組みに挑戦し始めています。