• 配信日:2026.02.20
  • 更新日:2026.02.20

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CES 2026とは?最新トレンドと注目技術を111社現地取材で徹底解説!

この記事は、リンカーズ株式会社が主催したWebセミナー『CES 2026 調査報告会4万件の出展データと現地取材で読み解く技術トレンド』を書き起こしたものです。

2026 年1月6日〜9日、米ネバダ州ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジーの祭典「CES 2026」。リンカーズが直近5年間のデータ分析と現地取材 111 社の一次情報をもとに徹底解説します。

記事の最後の方では、セミナーで使用した講演資料を無料ダウンロードいただけますので、あわせてぜひご覧ください。

CESとは?2026年のテーマ・日程・会場


CES 2026とは?最新トレンドと注目技術を111社現地取材で徹底解説!

CES は「Consumer Electronics Show(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」の略で、世界最大級のテクノロジーの祭典と呼ばれています。2026 年1月6日〜1月9日の4日間、米ネバダ州ラスベガスで開催されました。

運営団体 Consumer Technology Association(CTA)の報告によると、2026 年の出展社数は 4,100 社以上、現地参加者は 14 万 8,000 人以上にものぼる大規模な展示会です。 1967 年に始まり、かつては「家電の見本市」と呼ばれていましたが、今やその姿を大きく変えています。

2026 年のテーマは「Innovators show up」。AI、モビリティ、デジタルヘルス、サステナビリティなど、あらゆる産業が集まり、未来を語り合う場となっています。

CES 2026 の会場面積は 23 万㎡以上、幕張メッセのメインフロアが4つ以上入る規模に相当します。メイン会場は LVCC(Las Vegas Convention Center:ラスベガス・コンベンション・センター)と Venetian(ベネチアン)の2カ所です。
また、 Wynn Las Vegas(ウィン・ラスベガス)と今年は新たに会場として加わった Fontainebleau(フォンテンブロー)も会場として使用されました。
現地の様子を、会場ごとに紹介します。

LVCC(Las Vegas Convention Center:ラスベガス・コンベンション・センター)


CES 2026とは?最新トレンドと注目技術を111社現地取材で徹底解説!

メイン会場の LVCC では、エレクトロニクスや自動車系の大手企業、電子部品メーカー、AR / VR 関連企業などの展示が中心です。各社がブランド力と技術力を武器に、次々と見どころを打ち出していました。

Venetian(ベネチアン)


生活に密着したヘルスケアやスマートホーム、最新のスポーツ・家電分野が集結したのがベネチアンです。ここではグローバルな大企業から独自の技術を持つ中小企業までが軒を連ね、多種多様なソリューションが幅広く展示されていました。

Fontainebleau(フォンテンブロー)


CES 2026で特に大きな注目を集めたのが、フォンテンブローに新設された特別会場「CES Foundry」です。このエリアでは、最先端のAIや量子コンピューティングに特化したセッションが連日開催され、次世代技術の実装に向けた熱い議論と展示が繰り広げられました。

Wynn Las Vegas(ウィン・ラスベガス)


ウィン・ラスベガスでは、韓国のサムスン電子が専用の特設展示場を構えていました。開幕に先立つ1月4日のメディアデー初日には、恒例の「First Look」を開催。今年の戦略とともに、未来のビジョンを具現化した圧巻のコンセプト発表が、世界中のメディアを前に披露されています。

会場では K-POP アイドルグループ RIIZE も加わり、その様子が巨大なスクリーンにも映し出されるという演出。まさに初日にふさわしい華やかな幕開けとなりました。

Eureka Park(ユーレカ・パーク)


CES 2026とは?最新トレンドと注目技術を111社現地取材で徹底解説!

ワンフロアに各国のスタートアップが集まるユーレカ・パークには、多くの来場者や各国メディア関係者が詰めかけ、会場全体が熱気に包まれ、エネルギーに満ちていました。

会場入口に位置するフランスの「French Tech」は、技術や製品だけでなく、フランス発のイノベーションというブランド価値を前面に押し出していました。 韓国はユーレカ・パーク全体でも出展数が多く、政府機関、地方自治体、大学なども組織として出展しており、国を挙げた強力な支援体制が見て取れます。

LG Nova やサムスンの C-Lab といった大企業を母体としたスタートアップ育成とオープンイノベーションにも力を入れている印象です。ブースを訪問すると、学生や若手研究者、起業家といった若手が中心となって説明しており、次世代への手厚い支援が伝わってきました。

イスラエルは、毎年最先端の技術を持ち込むことで知られています。今年は LVCC でモビリティに焦点を絞った展示も行うなど、戦略的に CES を活用している様子がうかがえます。

台湾の「Taiwan Tech」は、中央に大型ディスプレイとステージを設け、その周りに製品デモを配置した見やすいパビリオン設計。奥には各社のポスターブースもあり、技術情報に加えて資金調達のステージまで提示するという独自の工夫を凝らしていました。

日本のジェトロ(日本貿易振興機構)のブースは、やや奥まった場所ながらメインストリート沿いにあり、多くの来場者の注目を集めていました。

CES に注目すべき3つの理由


CES 2026とは?最新トレンドと注目技術を111社現地取材で徹底解説!

CES は、IoT・AI・ヘルスケア・ゲームなど、あらゆる産業が集まる展示の場です。ここでは、なぜ CES に注目すべきなのか、その理由を詳しく見ていきましょう。

1. 産業のクロスオーバー


CES の大きな特徴は、異なる産業が掛け合わさることで新しい産業が生まれている点です。モビリティ×エンターテイメント、介護×ロボティクス、AI×エネルギーといった組み合わせから、これまでになかった産業が次々と誕生しています。産業の境界を超えたクロスオーバーが見られることが、CES の魅力となっています。

2. 大企業のビジョン発信の場


2つ目の理由は、大企業が中長期のテクノロジービジョンや新しいコンセプトを発表する場として活用されていることです。基調講演やメディアを通じて、多くの企業が CES で未来のビジョンを示しています。

今年は、韓国のサムスンや LG が「AI Companion」や「Affectionate Intelligence」といった言葉を使い、AI が私たちの生活の一部になっていく未来のビジョンを示していました。

単なる概念の説明だけでなく、実際にどのように AI が生活に溶け込んでいくのかをデモで見せていたのが印象的です。 たとえば、LG は「LG CLOiD(クロイド)」という、家事や日常生活を共にするロボットを発表していました。いつか私の家にもこういったものが来るのかと、未来を想像させてくれます。

アメリカの半導体メーカー AMD のリサ・スー CEO も、基調講演で「AI Everywhere」という言葉を使っていました。大企業が率先して AI に関する未来を描き、私たちの生活の中に AI が溶け込んでいく姿を想像させます。

3. ベンチャーの発掘の場


3つ目の理由は、CES が次世代のベンチャーを発掘する場となっていることです。たとえばユーレカ・パークには各国のスタートアップが集まり、その出展数の多さを会場で実感できます。

CES では、次の世代を担う技術や大手企業が示したコンセプトを実現する技術が披露され、既存のコンセプトに対して新たな可能性を提示する技術も登場します。最先端の技術が集結し、いち早く触れることができる場です。 実際の展示では、まだワイヤーが見えるようなプロトタイプのデバイスも発表されていました。

それでも技術は確かなもので、何としても市場に送り出したいという開発者の熱量が伝わってくるようでした。 シンガポール・アイルランド・カナダ・韓国など、世界中のテックベンチャーが集まる場として、CES は重要な役割を果たしています。

CES 2026 出展企業のデータトレンド分析


CES 2026とは?最新トレンドと注目技術を111社現地取材で徹底解説!

ここからは、実際に直近5年のデータと比較しながら CES 2026 の様子を俯瞰する形で解説します。

出展組織数と参加者数


運営団体の発表によると今年の出展組織数は 4,184 社。昨年の 4,646 社と比較すると 460 社ほど減少しています。一方、参加者数は 14 万 8,000 人と昨年の 14 万 1,000 人よりも増加し、過去最高の参加人数を記録しました。実際の会場も賑わいを見せており、規模が小さくなった印象は受けていません。

国別の出展組織数


CES 2026とは?最新トレンドと注目技術を111社現地取材で徹底解説!

出展数が最も多い国はアメリカの 1,319 社。過去5年間で見ても過去最高の水準です。開催地がアメリカであることを考えると、出展数が多いのは自然な流れかもしれません。加えて、AI やソフトウェア分野の参入が増えている点も、アメリカの強みが数字に表れた要因だと考えられます。

一方で、2023 年以降ずっと上位3カ国に入ってきた中国と韓国は、昨年よりやや減少しました。中国は前年差で約 300 社減少し 935 社、韓国は約 150 社減少し 791 社です。ただし、2024 年から 2025 年は両国とも出展数を大きく伸ばしていた時期でもあります。その反動で、今年は落ち着いたと捉えることもできるでしょう。

CES の中心はアメリカ・中国・韓国の3カ国。出展の半数以上を占めます。日本は今年 105 社で初めて3桁に到達しました。2024 年の 72 社、2025 年の 96 社から着実に増えており、規模は大きくないものの存在感を高めています。

カテゴリー別出展組織数


CES 2026とは?最新トレンドと注目技術を111社現地取材で徹底解説!

カテゴリー別では、AI が全体の 35% で突出していました。AI は 2023 年が 18% だったのに対し、今年は約倍増しています。 AI は単独の技術というより、センサーやスマートホーム、モビリティなど幅広い領域の土台として組み込まれており、さまざまな分野で存在感を強めています。

一方で、スタートアップは上位ではあるものの割合が伸びず、順位も上位3番目となり、やや減少傾向が見られました。

なお、カテゴリーは運営団体が設定している分類です。出展社が自社を当てはめて登録するため、集計には重複が含まれます。一社が複数カテゴリーに集計されることもあります。

カテゴリー別の成長率分析


リンカーズでは、5年以上 CES のデータを調査してきました。特にコロナ後、オンラインと現地で開催され、出展社数が着実に伸びた 2022 年から 2026 年までのデータを収集しています。

4万件を超えるデータを基に、どのカテゴリーの成長率が高いのか、そして今年の出展社数とどういう位置関係にあるのかをマッピングしたのが次の図です。

CES 2026とは?最新トレンドと注目技術を111社現地取材で徹底解説!

  • ・縦軸……年平均成長率
  • ・横軸……CES 2026 出展社数
    • CES 2026 で最も出展社数が多いのは「Artificial Intelligence:AI × 産業応用」。1,400 社を超えており、AI が基盤となってあらゆる産業が成り立っていることが見て取れます。

      「Energy Transition:エネルギー転換」や「Construction Industrial Tech:建設関係」は年平均成長率が大きく突出しています。この2つのカテゴリーは直近2年で新たに追加されたもので、話題性の高さが成長率に反映された形です。

      なお、CES では話題性の高いものが新規カテゴリーとして追加されるため、すべてのカテゴリーが5年前から存在していたわけではありません。

      その中でも、テクノロジー関係の展示会に、建設やエネルギーといった重厚長大産業系の分野が入ってくるのはユニークな特徴です。建設やエネルギーインフラの現場でも、安全性向上や労働力不足といった課題をロボットやDXで解決する動きが進んでいます。こうした背景から、「Energy Transition:エネルギー転換」や「Construction Industrial Tech:建設関係」カテゴリーの年平均成長率が伸びているとも考えられます。CES が扱う産業の広さを改めて印象付けています。

      また、「Quantum:量子技術」やデジタルヘルス関係の「Beauty Tech:美容技術」は、出展数こそ少ないものの年間平均成長率が大きいという特徴があります。

      次のページ:CES 2026 出展企業の注目テックベンチャー技術を紹介します!