
- 配信日:2025.10.03
- 更新日:2025.10.03
ものづくり マッチング事例
EV時代の生産準備を支える「速さ」と「品質」:Linkers Sourcingで設備メーカー探索
リンカーズのビジネスマッチングによるパートナー探索サービス「Linkers Sourcing(リンカーズソーシング)」について、株式会社豊田自動織機 生産技術部 部長の平松様、同部署 電動組立G グループ長の東田様、電動組立G メンバーの中山様にお話を伺いました。電動化時代に求められる新しい生産設備を導入するためのパートナー探索の状況や、サービス利用の感想、成果などを伺っています。ぜひご覧ください。
目次
● 会社・皆さまのお仕事について
● 背景課題について
● Linkers Sourcing 利用の決め手について
● Linkers Sourcing の活用と成果について
● 現場担当者の声について
● 決裁者の声について(年間契約の効果)
● 今後の展望について
● まとめ
会社・皆さまのお仕事について
株式会社豊田自動織機は、トヨタグループの中核企業として、自動車、産業車両、繊維機械など幅広い事業を展開しています。
中でもカーエアコン用コンプレッサ事業は世界シェア約4割(豊田自動織機調べ)を誇り、世界中の自動車メーカーに製品を供給。世界6拠点において最速10秒サイクルの生産ラインを持ち、常に世界最先端の生産技術を追求しています。
今回お話を伺ったのは、以下の皆様です。
- ・平松様(生産技術部 部長)
- ・東田様(生産技術部 電動組立G グループ長)
- ・中山様(生産技術部 電動組立G メンバー)

背景課題について
自動車業界全体が電動化・ソフトウェア化にシフトする中、コンプレッサ検査工程でも新しい車載通信規格への対応が求められました。従来設備では対応が困難であり、最新仕様に対応可能な新規設備メーカー探索が急務でした。
しかし、社内リソースだけでの探索には以下の課題がありました。
- ・特有技術を持つ企業情報が少なく、人脈も限定的
- ・要件定義の段階から判断に迷い、探索の精度に不安
- ・担当者1名で約3か月を要しても、候補の網羅性が確保できない
「スピードが重要ですが、品質を落としては競争できません。高い品質を維持しながらさらに速く対応する必要がありました。情報社会の中で、自力での探索には限界もあり、外部リソースの活用が必須だと感じていました」(平松様)

Linkers Sourcing利用の決め手について
探索のスピードと品質を両立させるためにLinkers Sourcingが選ばれました。
「世界トップレベルの技術を持ち、我々の生産規模に寄り添える企業をタイムリーに紹介してもらえることが最大の理由でした。初見では費用が高く見えても、自力で探索する労力を考えれば結果的にリーズナブルです」(平松様)
さらに、Linkers担当者の支援に関しても触れられています。
「当初は『必要なスキルの概要』しか把握できていない状況でしたが、サポートによって実際に必要なスキルを具体的に洗い出すことができました。特に、MUST要件とWANT要件の切り分けや優先順位付けを行うことで、社内外で共有可能な判断基準が明確になりました。さらに、社内特有の用語をLinkers側に汎用的な表現に置き換えていただいたことで、外部候補企業とのやり取りもスムーズになりました」(中山様)

Linkers Sourcingの活用と成果について
Linkers活用によって得られた成果は、数値としても明確でした。
探索期間の大幅短縮
社内リソースで約3か月必要だった探索を、わずか3日間の工数で完了。
適切な候補企業との出会い
車載通信検査設備の開発実績を持つ企業とマッチングし、即戦力となるパートナーを確保。
リソースの最適化
海外拠点での生産準備業務と並行して探索を進められ、部署全体の効率が向上。
副次効果
「外部リソースの活用は有効な手段」という文化が社内に広がり、新しい技術導入のハードルが下がった。
「短期間で適切な企業と出会えたことで、新しい技術を導入する際の心理的な壁が下がりました。社内にも“Linkersを使えばできる”という前向きな雰囲気が広がったと感じます」(東田様)

現場担当者の声について
現場で実際に活用した担当者からは、システムやサポート体制に対する高い評価の声が挙がっています。
「初めてでも迷わず操作できる直感的なUIで、必要な情報を効率的に入力できました。応募企業には、過去に自動車メーカー向けに検査装置を納入した実績を持つ企業も複数あり、安心して比較検討を進められました」(中山様)
「また、Linkers担当者が定期的に進捗確認やフォローを行い、候補企業とのやりとりのタイミングや内容を調整してくれた点も現場の負担軽減につながりました。」(東田様・中山様)
決裁者の声について(年間契約の効果)
同社のLinkers活用において特筆すべきは、年間契約を導入したことによる効率化です。
豊田自動織機 生産技術部では、Linkers活用を「年間契約」という仕組みによって運用しています。これは、年度の初めに複数件分の利用枠(チケット)をまとめて発注し、1年間の中で必要なタイミングに応じて使えるようにする契約形態です。
年間契約を導入することで、以下のメリットが生まれています。
計画的な工数配分
部署全体での案件数や利用タイミングをあらかじめ見通せるため、現場でリソース配分がスムーズに。
柔軟な対応が可能
必要なタイミングで即座にサービスを活用できる環境が整い、挑戦のスピードを落とさずに新規テーマへ取り組める。
「探索案件を年間契約することで、繰り返し業務を一括にまとめることができ、業務の質を落とすことなく、意思決定のスピードをアップすることにつながりました。
また、スピードアップによって創出できた時間は、新たな付加価値向上のための時間に充当することができるようになっています。」(平松様)

この年間契約の取り組みに関しては現場担当者からもメリットは大きく感じられています。
「年度初めにチケットを一括確保できることで、必要な時にすぐLinkersを利用できる安心感があります。都度の予算取りが不要なので、現場としてもスピーディーに動けますし、柔軟に新しいテーマへ挑戦できる環境が整いました」(東田様)
この年間契約の仕組みは、単なるコスト削減に留まらず、「挑戦を文化に変える仕組み」として機能し始めています。
今後の展望について

今後、生産技術部ではDX・物流・ネットゼロなど新たな領域にも挑戦し、AIやデジタルツインを活用した次世代生産技術の確立を目指しています。さらに、海外拠点展開に対応できる企業探索も視野に入れています。
「五年、十年先を見据えた工場の姿を描くには、世界中のメーカーと協業する必要があります。その窓口をLinkersに担っていただけることを期待しています」(東田様)
また、年間契約によって社内で新しいアイデアを出しやすくなり、「やってみよう」という挑戦が自然に生まれる環境も整いつつあります。
「年間契約があるからこそ、自発的に“新しいことに挑戦してみよう”という声が出てきています。Linkersは、未来を切り拓くための後押しとなっています」(中山様)
まとめ
豊田自動織機 生産技術部は、激動の電動化時代に求められるスピードと品質の両立に果敢に挑み続けています。その取り組みは、ものづくりの最前線において持続的に競争力を高める源泉と理解いたしました。本事例は、外部リソースを効果的に活用しながら社内の挑戦を加速させ、ものづくりの最前線で持続的に競争力を高める取り組みの好例といえるでしょう。
聞き手、文責:リンカーズ株式会社CMO 小林 裕
株式会社豊田自動織機にてご利用いただいた、
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